2023-01-16 政治・国際

頼清徳氏、与党・民進党トップに選出 政権維持向け党勢回復へ/台湾

注目ポイント

台湾の与党・民進党は15日、蔡英文総統の党主席(党首)辞任に伴う主席選を実施し、唯一立候補を届け出ていた頼清徳副総統(63)が選出された。

民進党主席に当選した頼清徳氏

(台北中央社)与党・民進党は15日、蔡英文(さいえいぶん)総統の党主席(党首)辞任に伴う主席選を実施し、唯一立候補を届け出ていた頼清徳(らいせいとく)副総統(63)が選出された。目下の課題は党勢回復だ。統一地方選での大敗後、いかに政権維持につなげるか。その手腕が問われる。

4万1840票を獲得した。得票率は99.65%、投票率は17.59%だった。18日に就任する。任期は来年5月20日まで。

与党・民進党は昨年11月末の統一地方選で首長ポストを7県市から5県市に減らし、前回2018年の地方選を上回る大敗を喫した。これを受け、蔡氏は責任を取る形で兼務していた党主席を辞任した。

頼氏は、台南市長、行政院長(首相)などを歴任したベテラン。20年の総統選前には党予備選に名乗りを上げたが、再選を目指していた蔡氏に敗れ副総統候補に回った。

頼氏は、来年初めに予定されている次期総統選で、同党の有力候補と目される。蔡政権2期目で副総統を務めながら、周到に準備を進め党内レースで優位に立った。昨年7月には訪日し安倍晋三元首相の葬儀に参列。同年末の記者会見では、蔡氏から次期総統としてふさわしいと太鼓判を押された。

蔡氏とは異なる派閥に属する頼氏。党内でいかにバランスを取り、蔡氏と協力して団結を図っていくかが注目される。

投票の結果を受け、頼氏はコメントを発表。「民進党にとって人々の信頼回復に向けての始まりだ」とし、全力を注ぐ姿勢を強調した。

(葉素萍/編集:楊千慧)

 

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