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台湾南部・台南市の成功大学に残る国定古跡で、日本統治時代には旧日本軍台湾歩兵第2連隊の営舎だった「礼賢楼」と呼ばれる建物が2年にわたる修復工事を終え、11日に祝賀式典が行われた。今後も大学校舎として使用される。

(台北中央社)南部・台南市の成功大学に残る国定古跡で、日本統治時代には旧日本軍台湾歩兵第2連隊の営舎だった「礼賢楼」と呼ばれる建物が2年にわたる修復工事を終え、11日に祝賀式典が行われた。今後も大学校舎として使用される。
同大によれば、礼賢楼は1912年に竣工。45年には国軍の営舎となり、66年に同大に引き渡された。99年に台南市の市定古跡、2003年には国定古跡に指定されている。
老朽化などのため、同大は4309万台湾元(約1億8700万円)余りを投じ、約2年かけて修復。消防設備やバリアフリー対応のスロープなどを設置しただけでなく、ふさがれていた換気窓を直して廊下の湿気対策を施した。外観は竣工当時の様子を再現した。
関係者は、修復に際して屋根や外壁からは古い鉄筋コンクリートの構造が見つかり、文化資産の保存と記録に役立ったと説明。また本来の色を残したドアや窓の建材、窓の装飾に使われた伝統技術の他、アーチ型入り口上部の装飾の内部に木の板が使われていたことなどが新たに分かったとして、集められた資料などは今後同大の博物館で展示する計画だと語った。
(張栄祥/編集:齊藤啓介)