2023-01-08 政治・国際

蔡総統、宇宙産業の国家チーム立ち上げに意欲 10年以内に約1100億円投入/台湾

注目ポイント

台湾の蔡英文総統は6日、財団法人から行政法人に移行した国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)の看板除幕式に出席し、政府は今後10年以内に251億台湾元(約1100億円)を投じて宇宙技術分野の国家レベルのプロジェクトチームを立ち上げる予定だと明らかにした。

行政法人化した「国家宇宙センター」の看板除幕式に出席した蔡英文総統(左から5人目)=6日、新竹市

(新竹中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統は6日、財団法人から行政法人に移行した国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)の看板除幕式に出席し、政府は今後10年以内に251億台湾元(約1100億円)を投じて宇宙技術分野の国家レベルのプロジェクトチームを立ち上げる予定だと明らかにした。

蔡氏は、台湾が近年自主開発した小型衛星「福衛5号」(フォルモサット5号)や「福衛7号」(同7号)などの成功に触れ、台湾の衛星開発の実力は絶えず高まり続けていると指摘。昨年には南部・屏東に新たなロケット発射場が整備された他、今年下半期には台湾初の国産気象衛星「猟風者」が打ち上げられるとし、宇宙産業の設計力や製造力がさらに向上したことを示していると語った。

また政府は今後第3期宇宙プロジェクトを通じ、民間と手を携えて強靭(きょうじん)なチームを立ち上げ、世界に進出すると意気込んだ。

TASAの行政法人化については、経済部(経済省)との協力による産業の高度化推進や教育部(教育省)と共同で進める人材育成など新たな役割が与えられたと強調。これらの取り組みを通じ、異なった分野から台湾の宇宙産業を強化できると信じていると述べた。

また世界各国が宇宙開発に乗り出し、宇宙は21世紀の国際競争の場になっているとの認識を示し、台湾宇宙技術の30年間にわたる発展で積み上げられた衛星開発の成果はわれわれに有利な参入の空間を作ってくれたと語った。

(張璦/編集:齊藤啓介)

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