2023-01-05 流台湾

年越しは寝て過ごす? 台湾人らしさたっぷりの台湾のお正月

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

大掃除や正月飾りの準備など新しい年を迎えるにあたって何かと慌ただしい日本と違い、台湾の年末年始はどこかマイペース。クリスマス飾りも旧正月までそのまま、年越しのカウントダウンは夢の中で迎えることも多いとか?

皆さんご存じのとおり、台湾には日本文化に興味のある方や親日の方が非常に多い。そういった方にとっては、日本の正月は日本の文化や慣習に触れることができる絶好の機会だが、台湾人にとっての「正月」とは、旧正月(2023年は1月22日)となるため、1月1日は特段浮き足立つこともなく、いつもとさほど変わらない日常を過ごす方が多い。今回は、花屋目線から見た台湾人の新年の迎え方についてご紹介していく。

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文化の違いが出るしめ縄のレッスン

本題に入る前に、私が台北で営んでいる花屋の年末の様子を少しお話ししたい。当店では、毎年12月のクリスマスリースやクリスマスツリーのレッスンが終わる頃に、しめ縄のレッスンを始める。しめ縄は保水が難しいため切花でなく、プリザーブドフラワーをメインに使用するが、プリザーブドフラワーをはじめ造花やドライフラワー、正月飾りなどはほぼ全て日本からの輸入品となる。世界から見ると日本の正月飾りは大変独特なものだからだ。

しめ縄レッスンには台湾人だけでなく日本人も参加するが、講師として面白いと感じるのが、台湾人と日本人では完成した作品の色がかなり異なることだ。日本人は赤と白、いわゆる紅白の色合いで作る方が多く、女性の場合はピンクと白、ピンクと銀の組み合わせも人気である。

一方、台湾人が好む色は断然赤と金である。台湾人の旧正月の色は基本的に赤と金のため、しめ縄に赤や金を多めに入れたくなる気持ちも分かる。また、青や緑を好む方もおり、個性によってかなりバラバラな色合いとなる。日本人は無難な色合い、可愛い色合い、紅白を好むのに対し、台湾人は赤と金または自分の好きな色を選ぶあたりは、やはり文化の違いは色の好みにも深く影響してくることがよく分かる部分である。

 

クリスマス飾りはそのまま? 台湾人の年越しの過ごし方

以前の記事でも紹介した通り、台湾ではクリスマスが終わっても街中のツリーやイルミネーションを片付けず、長い場合は2月までそのままということもある。クリスマスの装飾を旧正月まで残しておくことに最初は違和感を感じたが、よくよく考えてみると、12月に付けたものを一度外して旧正月前にまた付け直すというのは確かに二度手間感がある。

旧正月になると街全体が赤と金の装飾で彩られ、日本の師走にも似た忙しなさを感じるが、クリスマス装飾がそのままだったり、それを少し改造して旧正月用にアレンジするあたりは、実に合理的な台湾人らしい文化だ。

そんな台湾人の年越しの過ごし方はさまざまであるが、ここでは代表的な過ごし方をご紹介する。まず、最もメジャーな過ごし方は台北101の花火大会である。毎年花火職人が新しいデザインの花火を打ち上げて、多くの観衆を楽しませてくれる。また、新年直前には101の上層部にカウントダウンが表示され、カウントが0になると火花が噴き出し、多くの台北市民、新北市民が「新年快樂(日本のあけましておめでとうのようなもの)」を言い合う習慣がある。

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