2023-01-04 観光

日本時代建設の宿舎 建設会社が約1億7000万円かけ修復 多目的施設に/台湾

注目ポイント

北部・台北市に残る日本統治時代の1929(昭和4)年に建設された旧台北帝国大学(現・台湾大学)の教授宿舎が昨年、建設会社「力麒建設」と関連会社「至美国際」の郭淑珍董事長(会長)らの尽力によって修復された。

多目的施設として生まれ変わった「方東美寓所」=台北市文化局

(台北中央社)北部・台北市に残る日本統治時代の1929(昭和4)年に建設された旧台北帝国大学(現・台湾大学)の教授宿舎が昨年、建設会社「力麒建設」と関連会社「至美国際」の郭淑珍董事長(会長)らの尽力によって修復された。現在は飲食店や画廊などが入る多目的施設として利用されている。

建物は戦後も台湾大の宿舎として使われ、この場所で30年近く暮らした教授の名から「方東美寓所」と呼ばれる。れんがや洗い出し加工された外壁の基礎、ヒノキの柱の他、庭園には当時の特徴が見られ、2007年には市定古跡として歴史建築に登録された。

郭氏は近くの建設プロジェクトに携わった際、屋根瓦が壊れ、雑草が生い茂る同地を見つけ、それが文化資産だと分かると、修復して再活用しようと決意。報道陣の取材に「ここで壊れたままにしては良くないと思い、修復して、環境を改善しようと思った」と当時の心境を振り返った。

修復するならいい状態にしようと、専門家に依頼して枯れ山水や池も作った。かかった費用は4000万台湾元(約1億7000万円)余り。

建物を視察した台北市文化局の田瑋副局長は、多くの人を引き付けるために公益性のあるイベントをもっと開くべきだと指摘。建物の歴史を紹介する展示も強化すべきだと語った。

(陳昱婷/編集:齊藤啓介)

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