2023-01-04 流台湾

台湾の元旦の風景―国旗掲揚・初日の出・豆乳店―

注目ポイント

台湾の1月1日は元旦であると同時に建国記念日でもあります。総統府前の広場では6時27分から国旗掲揚の厳かな儀式があります。6時30分に儀式が終わったら当然多くの人がその足で朝食を食べに行きます。総統府から歩いて行ける所に豆乳店があって、毎朝長い行列ができています。また東海岸を中心に初日を拝む絶景のポイントがいくつかあります。台湾の元旦は、旧正月(今年は1月22日)とは違う雰囲気があります。

1月1日は開国記念日

1911年10月10日、孫文は武昌で革命を起こし、翌12年1月1日に南京で中華民国の成立を宣言しました。ですから1月1日元旦は中華民国の開国記念日でもあるのです。台北市の総統府前広場では毎年恒例の国旗掲揚が行われます。多くの人が参加するため朝早くから交通規制で総統府付近は混雑します。儀兵隊の国歌演奏に合わせて青天白日旗が掲揚され儀式は終了です。そのあとうちに帰る前に多くの人は朝食をとります。台湾も日本と同じように多種多様の朝食があって、大きく分けると、美而美(店名)の蛋餅や厚切りトースト、コンビニのサンドイッチやおにぎり、キッチンカーの朝軽食などと、台湾式の伝統的な朝食。台湾式朝食は、簡単に言うと2種類あります。お粥と雑炊を中心とした朝食と豆乳や万頭を中心とした朝食です。筆者は、年末、50年以上の歴史がある豆乳の老舗「阜杭豆乳店」へ行ってきました。

阜杭豆乳店 長蛇の列

初めて経験した朝食で1時間待ち

豆乳と言えば多くの台湾人が思い浮かべるのは台北市の南郊外にある70年以上続く永和の「世界豆乳大王」です。しかし毎朝長蛇の列ができる阜杭豆乳店も負けていません。こちらは台北の中心である台北駅から歩いて行けるほど交通の便がいいですから、遠方の人や休日の家族連れ、観光客などがたくさん来ます。登校前の学生や出勤前の会社員はあまり来ません。わたしは年末の平日、約1時間並びました。朝食を食べるのにこれほど長い時間並んだことはありません。でも並ぶ価値はあります。看板メニューである焼餅油條はわたしが今まで食べた中で一番おいしかったです。豆乳は甘い豆乳と無糖豆乳、酢を入れて豆乳成分を分離させた鹹豆漿(シェントウチャン、鹹はしょっぱい味という意味)があってどれも朝からしっかりタンパク源が摂れそうな豆乳でした。台湾の豆乳店やコンビニには「飯糰(ファントヮン)」というおにぎりがあって、具は小さく切った油條や肉そぼろなどで、ご飯はもち米を使っています。阜杭のは楕円形の結構なサイズで、朝これを一つ胃に入れておけば午後まで腹持ちしそうです。カラメルフレイバーのパイのようなものも注文してみました。一口かじると中は空洞で頭の中ははてなマークでしたが、二口目からはカラメルの香ばしい甘い味がして、わたしにとって初めて食べる絶品台湾スイートでした。

窓際の席
絶品の焼餅油條

日本人観光客にも人気

わたしが行列に並んでいる間、列の前後左右から日本語や韓国語、インドネシア語など外国語がたくさん聞こえてきました。台湾観光の通はホテルやコンビニで、どこでも食べられるようなありふれた朝食ではなく、朝っぱらから現地の人が食べるのと同じ朝食を求めて行列に並んでいます。ここでは台湾の本当の味が楽しめるだけではなく、その日観光に歩き回る十分なエネルギーも補充することができます。ただ営業時間は午前だけ(朝5時半から昼12時半まで)ですから、並ばなくてもいいようにピークを外して午後行こう、なんて計画は立てないでくださいね。

混雑する店内
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