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台湾を日本の延長のように考える人が多いのは悲しい——台湾で起業した日本人経営者が、収入、そしてデジタルメディアとの付き合い方の側面から台湾人と日本人の違いを紹介。
みなさんこんにちは! 台湾で2017年に起業し、2022年9月に台湾起業6年目を迎えた applemint 代表の佐藤峻です。
今日は、『なぜか台湾を日本と比較したがる日本人』というテーマでお話をしたいと思います。
僕は台湾で日系企業のマーケティングをお手伝いしている関係で、よく台湾のマーケティングに関するお問い合わせをいただきます。
僕は普段、お問い合わせを受けたら、まずは顧客のニーズに合わせて台湾で有効とされるデジタルマーケティングを提案します。
この時によく耳にするのが、「でも日本では……」というコメントです。
一例をご紹介すると、例えば台湾では Facebook の使用率が人口の80% を超えるので、デジタルメディアを使用して効率よく多くの台湾人に接触しようと思うとFacebook が有効な場合が多いです。
そこで Facebook をご提案すると、一部の方から「でも日本では誰も使ってないですよ」や、「日本で試しましたが、あまり効果がありませんでした」と返ってくる場合が多々あります。
その度に僕は、「いや、台湾は日本じゃねーよ(怒)」と心の中で思いながら、優しく対応しています(笑)。
台湾が親日だからか知りませんが、台湾を日本の延長のように考える人が本当に多いのは少し悲しいです。
そこでこのブログでは改めて僕が思う台湾と日本の違いを3つご紹介したいと思います。
これから台湾でビジネスを始めようと思っている方は、これからお話しする3つの違いを頭の片隅に入れていただけると幸いです。
違いその1. 台湾と日本の可処分所得
日本と台湾は収入が違うなんて話を聞きますが、具体的にどれくらい違うのでしょうか? まずは日台の給与や可処分所得の違いについてお話をしたいと思います。可処分所得とはざっくり言うと、個人が自由に使える金額を指します。
まず給与の違いだけ簡単にご説明すると、日本の平均給与は、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると443万円です。次に台湾の平均給与ですが、人材バンク・104人力銀行の調査によると、2021年は65.6万台湾ドル(当時のレートで約262万円)です。これらのデータを基にすると、日本人の平均給与は台湾人の1.5倍以上あります。
続いて可処分所得ですが、OECD(経済協力開発機構)のデータベースによると、2020年の日本の1世帯あたりの可処分所得は2.99万ドル(当時のレートで約319万円)でした。