注目ポイント
今回は、「温泉神社」が浴室内にあり、温泉に入りながら「初詣」ができる究極のパワースポット、福島県に湧く「西山温泉 老沢温泉旅館」を紹介します。
2022年も残り1週間を切りました。月日が過ぎるのは早いものですね。今年、良いことがたくさんあった方も、なかった方も、2023年を新たな気持ちで迎えたいものです。お正月のメインイベントといえば「初詣」。これまでの一年の感謝と、これからの一年の安全を願う、心機一転の場ですね。
山、川、モノ、人物など、祭祀(さいし)対象がさまざまな神社には、温泉そのものを祭る「温泉神社」も存在します。那須湯本温泉や箱根温泉が有名でしょうか。温泉と合わせて初詣もできたら、御利益も高まりそうですよね。今回は、「温泉神社」が浴室内にあり、温泉に入りながら「初詣」ができる究極のパワースポット、福島県に湧く「西山温泉 老沢温泉旅館」を紹介します。

福島県の「奥会津」柳津町(やないづまち)に湧く西山温泉は、5軒の旅館や温泉施設が点在し、素朴な山村エリアにある秘湯的な雰囲気です。開湯は奈良時代までさかのぼり、古くから湯治場として栄えてきました。その霊験あらたかな温泉は、信仰の対象となり、今でも「神の隠れ湯」といわれています。
そんな温泉信仰の残る西山温泉の中で、最も湯治場の風情を残すのが、「老沢温泉旅館」。木造2階建てのレトロな佇(たたず)まいは、古き良き時代の面影をそのまま残しています。


田舎の親戚の家に遊びに行ったかのような、生活感と安心感のある館内。少し歩くと、下へと続く長い階段があり、その階段を降り切ったところに浴室があります。
木の板張り湯小屋の浴室は、内湯が一つのみで、昔ながらの湯治場らしく男女混浴。女性が入浴する場合、注意を促す札を掛けたり、男性が間違えて入室しないよう、宿の方が配慮してくれるそうです。
石造りの長方形の湯船が三つ均等に並び、その奥に「神社」があります。素朴な浴室ですが、温泉を祭る神社があることで、どことなく神聖な空気に包まれる独特なオーラが漂います。温泉に入り、みそぎを済ませた体ですぐに参拝。生まれたままの姿でお参りとは、なんとも新感覚ですね。

温泉の泉質は、含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)。加水、加温、循環、消毒無しの完全掛け流しで、80度近い源泉を微調整しながら、適温で湯船に供給しています。無色透明なお湯は、白い湯の花がヒラヒラと舞い、フワッとこみ上げる甘く濃い硫黄の香りが鼻孔をくすぐります。なめてみると、ちょうどいい塩加減の玉子スープのような味わい。ツルツル感とキシキシ感の同居する肌触りは、成分の濃厚さを感じさせます。湯上りは、身体が芯まで温まり、お肌はスベスベ。温泉の御利益を、すぐに体感することができます。
