2022-12-23 政治・国際

ゼレンスキー氏が訪米、支援継続を訴え ロシアは新型ICBMを初の実戦配備へ

© Photo Credit: AP / 達志影像

注目ポイント

2月24日にロシアによる侵攻が始まって以来、初めてウクライナを離れたゼレンスキー大統領は21日、米ワシントンに到着した。ホワイトハウスでバイデン氏と会談した後、米連邦議会で演説し、米国による軍事・経済支援などに謝意を示すとともに、これからも超党派による手厚い支援を継続するよう呼びかけた。一方、ロシアのプーチン大統領は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)初の実戦配備を表明。西側をけん制する狙いとみられる。

レズニコフ氏は、「動員第二弾に当たる約15万人は3か月の最小限の訓練をしている。つまり、新たな攻撃を恐らく2月、今年と同じ時期に始めようとしている。それがロシアの計画だ」と述べた。その上で、「ロシア政府は勝利のための新たな方法を模索している」とし、さらなる動員の可能性も示唆した。

そんな中、戦時下で初めての出国となったゼレンスキー氏は、激戦が続く同国東部ドネツク州の要衝バフムトから米ワシントンまで、陸路などで極秘裏に移動した模様だ。AP通信によると、ゼレンスキー氏は21日未明、ウクライナとの国境に位置するポーランド南部プシェミシルの駅に姿を見せ、車に乗り込んだ。そこから北東約50キロのジェシュフに移動し、米軍機に搭乗した模様だ。バフムトから約1200キロに及ぶ移動の詳細な旅程は公表されていない。

クリスマス休暇中の欧米では、米ニューヨークで冬の風物詩になっているロックフェラーセンターや、欧州連合(EU)本部、パリ市庁舎など、西側各国の約60か所に飾られているクリスマスツリーが21日夜、一時消灯した。これは、ロシアによる発電所などのインフラ施設への攻撃で、広範囲にわたる停電に苦しむウクライナの人びととの連帯を示すため、ウクライナへの支援金を募る団体の呼びかけで行われた。

一方、ロシアのプーチン大統領は、複数の核弾頭を搭載できる新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)を近く実戦配備する考えを表明した。ウクライナへの軍事支援を継続する米国やNATO(北大西洋条約機構)をけん制する狙いがあるとみられる。

プーチン氏は21日、国防省の会合で、「われわれは戦略核の戦闘態勢を維持し、向上させていく」とし、「これがわが国の主権や領土の保全、それに世界における力の均衡を維持するための保証となる」と演説。核戦力向上を進めていることを強調した。

その上で、複数の核弾頭を搭載できる新型ICBM「サルマト」を近く実戦配備する考えを示した。また、来月には、海上発射型の極超音速ミサイル「ツィルコン」をフリゲート艦に搭載して実戦配備することも明らかにした。



 

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