2022-12-22 観光

知られざる「水金九」エリアの5つの魅力~台湾・九份のさらなる秘密を探る~

© 古家萱

注目ポイント

何回も訪れたことのある古い街よりも、九份のさらなる秘密を探りたい——。「水金九」つまり、「水湳洞」「金瓜石」「九份」を含む集落群のことである。時代が変わっても、水金九はその顔を変えない忘れられたアトラクションのようなものだ。

夏の終わりから初秋にかけての夜中、何気なく見た夢から目を覚ますと、たいてい夢の内容は曖昧(あいまい)だが、その中で見た光景はまだ鮮明に残っていたりするものだ。

古い家屋や段々畑のある小さな丘の上の町、通りには提灯が灯り、山々を眺めることができる。抽象的な表現だが、このような景色はそうそうない。子供の頃の経験からいうと、そういう場面(光景)を初めて見たのは、ホウ・シャオシェン監督の「悲情城市」、そして宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」で、現実世界では九份が答えだろう。

こう話すと九份老街へ行くのだと思われてしまうだろうが、そうではない。あるさわやかな昼下がり、「水金九」エリアを訪れ、次の5つの見どころを紹介したい。


#01:山尖路観光歩道

© garfieldw_travel

山尖古道はかつて九份と水湳洞を結ぶ道で、緑に囲まれており現在は花崗岩の遊歩道になっている。他の多くの古道のように人里離れた場所にあるわけではなく、道沿いには九份の素晴らしい景色を眺められるスポットがたくさんある。

例えば、金福宮の入口をくぐるとすぐに大きな石が見え、その石の上から九份の渓谷が一望できる。「水圳橋」、「浪漫公路」,「茶壺山」、「勸濟堂」、「黃金博物館」なども見渡すことができ、まさに旅の始まりにふさわしい景色が広がっている。

その後、伝説の「摸乳巷」を通り、ここで上を見上げると、いわゆる「一線天」が目に映る。歩道に沿って歩いていくと、外九份渓にかけて水圳橋が見える。この橋は市の指定建造物であると同時に、3層構造になっているのが特徴で、1層目は左右非対称形状のシングルアーチの水圳橋、2層目は鉄筋コンクリート製のビーム橋、3層目は石積みのアーチ橋で出来ている。

時が経ったとはいえ、沿道の風景や上下の運河の橋は、山間の町の風情を今に伝えている。


#02:寂寞公路

© 古家萱

国道102号線のルートに従って進み、雙溪と九份の分岐点に到着すると、沿道の美しい風景を楽しむ間もなく九份に到着する。この地名は、李白の詩「相看兩不厭(意味=お互いに眺めあっていても、双方(山と作者)少しも飽きがこない)」からとったものだが、なぜか?その答えは自分で歩いてみると分かる。歩いている間、飽きることなく、周辺の山景色に癒されることに気付くのだ。

東屋周辺は静かで、上空から見ると、空とつながるように見える一本道と、360度の山並みを見渡すことができ、息をのむような景色である。また、この長い道路は多くの車のCMの舞台となり、その景色が合歡山武嶺に似ていることから「雙溪小武嶺」とも呼ばれていることも特筆すべき点である。

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