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俳優の市原隼人が12日、台北市内で開かれた台湾ドラマ「商魂 TRADE WAR」のキャスト発表会に出席した。市原が台湾制作の作品に出演するのは初めて。台湾の実業家の実話を基にした経済界の権力争いを描く同作で、市原は有力一族の娘の情夫を演じ、道徳とタブーの間をさまよう強欲で冷徹な人物に挑戦した。

(台北中央社)俳優の市原隼人が12日、台北市内で開かれた台湾ドラマ「商魂 TRADE WAR」のキャスト発表会に出席した。市原が台湾制作の作品に出演するのは初めて。台湾の実業家の実話を基にした経済界の権力争いを描く同作で、市原は有力一族の娘の情夫を演じ、道徳とタブーの間をさまよう強欲で冷徹な人物に挑戦した。
1950年代を舞台に、セメント企業の創業者リン・ドン(林灯)が会社を台湾屈指の企業グループにまで発展させた実話を基に、会社の経営権争いを描くヒューマンドラマ。フー・モンボー(傅孟柏)がリンを、シャオ・ユーウェイ(邵雨薇)がその妻を演じる。1話当たりの制作費は1000万台湾元(約4500万円)近くに上る。監督はホン・ズーホン(洪子鵬)。
出演のオファーが届いた時から、同作への出演を通じて全く新しい経験が得られると確信していたという市原。相手役のアマンダ・チョウ(周曉涵)とのシーンについて「中国語も台湾語もしゃべれないので、芝居を通して心を通わせていった」と話し、「その中で何とも言えない繊細な駆け引きが難しかった」と明かす。同作では多くのベッドシーンも演じた。「ここまで挑戦的で深いベッドシーンは初めてだったので、とにかく現場では必死でした」と打ち明けた。
市原は同作での役について「狂気に満ちた役だった」と語る。特に、有力一族の娘の夫を演じたレゴ・リー(李国毅)との間では、相手の人生を押さえつけるようなシーンが多く、「本当に心が痛かったです。本当にご飯が全く食べれなかったんですよ。夜中もなかなか寝れなかったですし」と撮影時の辛い精神状況を振り返った。その上で「いままで感じたことのない、唯一無二の世界観を感じていただける作品になっていると思います」とアピールした。
モンボーと初めて会った日には自宅に招待してもらい、台湾料理やウイスキーをごちそうになったという。「本当に涙が出るほどうれしくて。その時間があったからこそ、より作品に愛着が持てて、より情熱的に入ることができました」と笑顔を浮かべた。これに対してモンボーは、外で買ってきたものを簡単に用意しただけだったと謙遜しつつ、全て自ら買いに行ったことを明かし、市原に台湾の温もりを感じてもらいたかったと話した。
同作は来年秋に台湾で放送予定。
(葉冠吟/編集:名切千絵)