注目ポイント
これから紹介する5つの小さな蘭嶼のレストランは、都会のレストランほど派手ではないが、海と大地の島で生活する人々は、たいていテーブルを確保するコツを心得ているものだ。
墾丁の後壁湖から出発し、太平洋の真珠と呼ばれる蘭嶼。雄大な自然の景観、豊かな海洋生態系と素朴な先住民族が、遠くから訪れる多くの旅行者を引き付けている。
食料を供給するため、台湾本島から毎週、貨物船が蘭嶼に航行しているが、季節が悪いと海が荒れて欠航となることも少なくない。不便なこの生活で蘭嶼の人々は強い生活力を身につけているのだ。海を蘭嶼島の冷蔵庫に例えるならば、反対側のタロイモ畑は、きっとその納屋に違いない。

島の地形に合わせて、里芋は水田で栽培される水里芋と、乾いた畑で栽培される乾里芋に分けられ、中にはオーストロネシア語族と共にやってきた長い歴史を持つものもある。 伝統的なタオ族の文化では、タロイモは主食の役割を果たすだけでなく、家族の地位を象徴する。収穫祭ではトビウオやさつまいもと一緒に贈られる。
食文化の変化に伴い、これまで島の食卓にあったものが、新しい創造的な手段で変身することが増えている。 ランタオ島にある次の5つの小さなレストランは、都会のレストランほど多様ではないかもしれないが、海と空のある島で人生を歩んできた人たちは、テーブルを支える強力なスキルを身につけていることが多いのだ。
#01: 蘭嶼旅人· Rover

漁師の木造小屋は、昼には青い海を、夕方には夕焼けを眺めながら温かな白熱ランプの下でお酒を楽しめるなど、それぞれの時間帯で旅人のニーズに応えられるように設計されているのだそう。スタッフが案内してくれた席に1度座ると席の変更はできないが、どこにいても聴こえてくる波の音は大きなリラックス感を与えてくれる。

友人たちと長いテーブルを囲めば、熱炒(台湾の居酒屋)の雰囲気が高まる。蘭嶼旅人· Roverの人気メニューは、1日中楽しめるブランチ。鮮やかな黄色の衣で包まれ、特製パンプキンソースがかかったサクサクのフライドフィッシュ、クリーミーな一口パンとサーブされるトリュフ入りのオムレツ、サイドにはさわやかなゆずビネグレットのサラダ、そして充実した1日を始めるための特製ジュースが特別メニューで用意されている。
【住所:台東縣蘭嶼鄉村25ー1】
#02位:蘭嶼漂流木餐廳

さあ、みんなこっちを見て! 看板メニューはクリーミーなトビウオの卵! プチプチとした食感が麺やご飯にぴったりだよ‼蘭嶼にはレストランも経営する民宿のオーナーが多く、蘭嶼漂流木餐廳もそのひとつ。
環境に配慮しているオーナーの意向で使い捨てのカトラリーは用意されておらず、装飾品の多くは浜辺に打ち寄せられたゴミを再利用している。 店内でひときわ目を引くのが、大きな紙くずの箱にメニューが書かれていることだ。 注文の際はウエイターがメニューを広げ、色とりどりに書かれた名物料理の説明をしてくれる。
