注目ポイント
イギリス国際貿易省のグレッグ・ハンズ(Greg Hands)閣外大臣は、今回の台湾訪問をとても大切にしていると述べた。台湾と英国の間には、経済と貿易関係だけでなく、強力な民主主義や制度を持ち、多くの共通点がある。ハンズ大臣は、台湾が「2030年バイリンガル国家政策」の目標について、非常に重きを置いていることを知っており、英国は関連の政策とサポート体制の枠組みについて、台湾の教育部と話し合いを続けていくとして、この課題を向こう数週間のうちに次の段階に進められるよう希望した。
ハンズ大臣率いる代表団は11月7日に台湾に到着し、9日に台湾の経済部が主催する「第25回台英経済貿易対話」非公開会議に参加した。双方は農業、エネルギー、医療、金融サービス、科学技術、サプライチェーンでの協力計画について意見交換を行った。また、会議後には台湾経済部技術処とイギリス・リサーチ・イノベーション(UKRI)が、双方の科学研究の協力を促進するため、2025年3月までに英国が500万英ポンド(約1億8000万台湾ドル)の資金提供を行う「台英イノベーション研究開発協力覚書」を締結した。
今回の英国代表団の来台は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来、初めて対面で行う経済貿易会議で、中国では強い抗議を巻き起こした。
中国が英国に「間違ったメッセージ」を送らないよう警告
今回の会議は、ハンズ大臣と経済部の陳正祺次長が共同議長を務め、今年は新たに電気自動車、5G、半導体などのサプライチェーンでの協力計画に関する議論が加えられた。
世界中が注目する半導体分野では、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が英国の半導体開発戦略を説明し、双方は半導体産業の発展や協力の機会について意見交換を行った。台湾工業技術研究院(ITRI)の電子與光電系統研究所は今後、英国のCSA Catapultと協力し、化合物半導体の研究開発を進めていく予定だ。
5G分野では、台湾は英国のSmartRAN Open Network Innovation Centre(SONIC)と連携するテストプラットフォームの推進に成功し、英国側は、台湾とより緊密なサプライチェーン多様化戦略や技術開発に関する交流と協力への期待を表明した。
電気自動車分野では、台湾は英国に電気自動車のサプライチェーンの発展状況や、ICT産業の優位性を紹介し、英国側は電気自動車関連技術の研究開発における協力を積極的に進め、台湾企業の投資意欲を増やしていくと述べた。
会議後、イギリス・リサーチ・イノベーションと台湾経済部技術処は、台英技術革新パートナーシップを強化するための覚書に署名した。また、双方の科学研究協力プロジェクトの促進のために、英国は2025年3月までに500万英ポンド(約1億8000万台湾ドル)の資金提供を行うことを約束した。
陳次長は、今回の台英経済貿易対話では、具体的な成果をたくさん得ることができたと述べた。今年10月には、昨年議論された「航空安全の推進に関する台英二国間協定」を締結したほか、今回の会議後に締結した「台英イノベーション研究開発協力覚書」は、台湾経済部技術処とイギリス・リサーチ・イノベーションの共同補助体制推進の基礎となり、台英企業間の科学研究の協力を促した。