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台湾国家発展委員会の龔明鑫主任委員(大臣に相当)は6日、台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に建設している工場で開いた式典に出席した。半導体製造の「脱台湾化」について否定し、最先端の製造技術は国内に残すことを強調した。

(フェニックス中央社)国家発展委員会の龔明鑫(きょうめいきん)主任委員(大臣に相当)は6日、半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に建設している工場で開いた式典に出席した。懸念されている半導体製造の「脱台湾化」について否定し、最先端の製造技術は国内に残すことを強調した。
台湾を台風被害から守る山々になぞらえ「護国神山」の異名を取るTSMC。台湾経済を支え、外交上の切り札的存在ともされる。ただ、TSMCは日本や米国で工場建設を進めており、この日はさらなる新工場の建設が発表された。
式典後、報道陣の取材に応じた龔氏は、関心が集まる脱台湾化は「誤った考え」だと言明。米アリゾナ州の新工場が2026年に完成しても、生産量はTSMC全体の3%にも満たないと説明した。
また、米国には集積回路(IC)の設計に強みを持つ企業があり、TSMCと手を組めば世界最強のサプライチェーン(供給網)を築けると指摘。このような信頼関係の下、半導体以外の産業におけるさらなる協力にもつなげられるとの考えを示した。
式典には、台米間の安全保障などについて話し合う会議を主催する米台商業協会のハモンドチャンバース会長も出席。台湾で広がる懸念に理解を示し、米国はTSMCを歓迎すると同時に、台湾がビジネスをするのに安全な場所であることを人々に保証したいと話した。
(林宏翰/編集:楊千慧)