2022-11-30 流台湾

台湾人と外食の深い関係とは? 日本と異なる外食意識とコロナ以降の最新市場

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

3食すべての食事を外食で済ませてしまう人も少なくない台湾。台湾人の外食事情を日本と比較しながら概観する。

こんにちは! 台湾大好きライターの津山です。今回は、美食グルメスポットとして名高い台湾の、外食文化についてご紹介します!

台湾を訪れると、朝から道端にサンドイッチや蛋餅(ダンピン)を売るお店さんがずらりと並ぶ光景に驚く人もおられるかもしれません。しかし、台湾では、朝ごはんを外食で済ませるという人は、なんと54%にも上ります。朝食を家で食べる習慣がある日本人にとっては、少し驚きの数字ですよね。

台湾は外食文化が定着しており、3食すべてを外食で済ませてしまう人も少なくありません。また台湾では、キッチンがない家に住んでいる方も多く、ほとんど料理をしない、という方も珍しくありません。

そこで、この記事では、台湾人の驚きの外食頻度や、台湾の外食産業の現状を、日本との比較を入れつつ、現地に住むライターが詳しくご紹介します!

 

台湾人の外食頻度と外食にかける費用

ある調査によると、25〜35歳の台湾人の1週間の外食頻度は、週に1〜6回の人が全体の約36%、週に7〜15回の人が全体の約30%、全て外食という人が約18%、全く外食をしない人は6%、という結果でした。

一方、日本の厚生労働省の調査で日本人の同世代を見ると、週に一度も外食しない人が全体の半数近くに上っており、日本と比較すると台湾では外食文化がかなり浸透していることが伺えます。

また台湾人が毎月外食にかける費用は、約7,100元という調査結果が出ています(2022年11月のレートで約33,000円)。これは、日本人の1カ月あたりの外食平均が10,800円であることと比較すると、かなり高い水準です。

筆者は現在、台北の企業に勤めていますが、若い同僚の中には、朝・昼・晩の3食全てが外食、という方も珍しくありません。

では、なぜ台湾ではこれほど外食頻度が高いのでしょうか? その理由は二つあると考えます。

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理由1:外食が安いから

まず台湾といえば、外食が安い、という利点があります。台湾人に対して行った調査でも、外食で重視する点は「価格」と答えた方が最も多くなっています(78.1%)。

2022年に入り、物価の上昇で外食の値上げも止まらない状況ですが、それでも、朝ごはんの蛋餅(ダンピン)は50元程度、魯肉飯弁当(ルーローハン弁当)は70〜100元程度、餃子10個で60元程度と、外食でも安く済ませられる選択肢があることは間違いありません。

 

理由2:共働きが多いから

台湾では、結婚して子供がいる女性でも、正社員としてフルタイムで働くことは珍しくありません。政府の調査によると、女性の高学歴化が進み、経済的な自立を求める人が増えたためと考えられています。

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