2022-11-28 観光

KOL Radarの独自データから見る台湾の旅行系インフルエンサー

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

台湾インバウンドにおいて非常に大きな役割を担っているのが、専門性の高い人気インフルエンサーだ。インバウンド業界でKOLと呼ばれる彼ら彼女らの中で、旅行をテーマにしたインフルエンサーは1万人を超え、そのうちの7割を女性が占める。全体の約9割がInstagramで情報発信しているが、世代によってSNSの利用率は異なるため、訪日予定の台湾人にPRをする際には内容やターゲットに応じて適切なプラットフォームを選択する必要がある。

台湾インバウンドにおいて、KOL(Key Opinion Leader)の役割は非常に大きいと言える。KOLは本来は専門性を持った人のことであるが、インバウンド業界では、専門性のある人気インフルエンサーのことをKOLと呼ぶ。このKOLの投稿内容や紹介情報は、台湾の人々にとっても有意義でリアルな情報が多く、マーケティングとしても重要な意味を持つ。

インフルエンサーカテゴリートップ20

KOL Radarのデータによると、台湾ではインフルエンサーのトップカテゴリーの第1位はグルメである。台湾はグルメに非常に敏感な国民性で、国内外問わず食べ物に関しては常に情報収集を欠かさない。また、旅行カテゴリーは第7位であるが、それでも1万人を超える。台湾の人口が約2,300万人ということを踏まえると、1万人以上のインフルエンサーが旅行に関することを専門的に発信しているというのは、いかに多いかがお分かりいただけるだろう。

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旅行系インフルエンサーの男女比と4大SNSの使用率

では、この旅行系インフルエンサーは一体どのSNSを使用して発信しているのだろうか。まず、日本でも多くのインフルエンサーが使用している「Instagram」であるが、台湾も同様に約88%のインフルエンサーが使用している。台湾では、近年はGoogleなどの検索エンジンよりも「Instagram」で、調べ物をしたり情報収集する人が増えている。そのため、「Instagram」の重要性はKOLマーケティングにおいては欠かせないものとなっている。

次に、男女別に比較すると70%が女性であり、男性はわずか26%にとどまる。これはSNSの特性でもあるが、購買意欲や旅行意欲においては、女性は直感的な感情で物事を判断する傾向があり、男性は金額やスペックを基準に論理的に判断することが影響している。そのため、Instagramは女性にとって「可愛い」や「美味しそう」など、ビジュアル的な判断がしやすく、インフルエンサーに女性が多いのも、「自分ごと化」しやすいからではないだろうか。

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旅行系インフルエンサーのフォロワー人数分布

「Facebook」「YouTube」「Insatagram」の3大SNSにおいて、旅行系インフルエンサーのフォロワー数の人数分布について見ると、100万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーはごく僅かであり、大半が1万人以下のナノインフルエンサーであることがわかる。実際に、インバウンドとしてマーケティングを行う際は、コストやエンゲージメント率を考慮した場合、フォロワー数1万人以上のマイクロインフルエンサーや10万人以上のミドル・マイクロインフルエンサーの起用が有効となりそうだ。

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台湾の各プラットフォームの特徴と活用方法

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