2022-11-25 政治・国際

26日投開票の台湾・統一地方選「九合一選挙」を簡単解説

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注目ポイント

4年に1度行われる台湾の統一地方選「九合一選挙」が明日の26日に迫りました。2024年の総統選の前哨戦にも位置づけられている選挙について、図表とともに解説します。

そもそも何の選挙?

4年に1度行われる統一地方選挙で「九合一選挙」と呼ばれています。その由来は、上図のように直轄市長をはじめ、県市長、直轄市議員、県市議員、郷鎮市長、郷鎮市民代表、村里長、山地原住民区長及び区民代表の9つを同時に選出するから(嘉義市長選は候補者1名の死去により来月18日に延期)。有権者が交付される投票用紙は、居住地に応じてその数が異なり、例えば、第一級行政区の6直轄市(台北市、桃園市、新竹市、台中市、台南市、高雄市)と第二級行政区の3省轄市(嘉義市、新北市、基隆市)の有権者は、市長、市議員、里長を選出するため3枚の投票用紙が交付されます。一方、13県の有権者は、県長、県議員、郷鎮市長、郷鎮市民代表、村長の投票を行うため、投票用紙は5枚。直轄市の山地原住民区域の戸籍保持者は、市長、市議員、里長のほか、区長、区民代表の投票権もあります。

どうやって投票する?

有権者は「投票三寶」と呼ばれる必須アイテム=国民身分証(IDカード)、印鑑、投票通知書を手に投票所へ。会場に入ったら本人確認、投票用紙の交付、投票箱に投票――といったプロセスは日本の選挙とそっくりですが、投票用紙に候補者の名前を記入するのではなく、候補者の番号や名前が印字された投票用紙に専用のスタンプを捺すのが台湾流。そのため、候補者が多ければ多いほど投票用紙の長さが伸びていくのも日本との大きな違いです。

県市議会議長の所属政党は?

九合一選挙が終わると、新たに選出された県市議員による新議長選出の投票が行われます。上図は2000年代以降に選出された県市議会議長の所属政党を示したもの。ほとんどが国民党か無所属で、民進党所属の県市議長は非常に少ないことがわかります。

注目の県市長選、所属政党の変化は?

九合一選挙の注目点は、計22ポストを争う県市長選。上図のように、選出された首長の所属政党で各地域が色付けされ、その染まり具合で「◯◯党の圧勝」などと報道されるのがおなじみの光景です。日本と違って国の代表を直接選挙で決める台湾では、県市長選の結果が2年後の総統選にも影響を与えるとされています。2000年代以降の地方選で選出された県市長の所属政党を見ると(上図)、民進党・陳水扁政権2期目に行われた2005-2006年の選挙では国民党が盛り返し、その後、身内や側近の不祥事が相次いだ陳政権の人気は急落。「倒扁運動」が起こり、2008年には国民党・馬英九政権が誕生しました。

馬政権1期目の2009-2010年の選挙では、国民党が民進党より多くのポストを得たものの、馬政権2期目の2014年に実施された初めての統一地方選では、同年春に起きた「ひまわり運動」の影響もあって国民党は大敗。15ポストから6ポストに減少し、最大野党・民進党が6ポストから13ポストに躍進しました。

一方、民進党が政権を取り戻し、蔡英文政権1期目の2018年の選挙では、22ポストのうち国民党が15ポストを制し、民進党は6ポストにとどまりました。蔡政権2期目で迎える今回の選挙では、二大政党のほか、第三政党も多くの市、県で候補者を擁立。台湾がどのように色付けされるのかに注目です。

若い世代の政治参加の機運が高まっている?

今回の九合一選挙で選出される直轄市及び県市議員は910人。無所属を除く26政党、1,686人が立候補の登録をしていて、県市長選に比べると候補者の年齢層が幅広い特徴があります。過去5回の選挙候補者の年齢分布を見ると(上図)、前回2018年は49歳以下の割合が増え、2010年と同程度まで戻りました。また、2018年は29歳以下の若い世代の候補者の割合が全体の3.5%を占め、2000年代以降で最も高くなりました。40代以下の政治参加の比率が高まっているのが近年の傾向といえそうです。

※中央選挙委員会のデータベースに2022年九合一選挙の候補者の詳細が含まれていないため、上図には反映していません。


同日に実施「18歳選挙権」の国民投票って?

26日には国民投票も実施されます。「18歳選挙権」とはその国民投票で是非が問われる憲法修正案で、各種選挙に投票できる年齢を現行の20歳から18歳に引き下げること。世界を見ると投票年齢を20歳以上としているのはごくわずかで18歳からが主流。日本でも2016年に公職選挙法が改正され、18歳から投票できるようになりました。憲法修正については、主要与野党はすべて賛成しているものの、有権者の間で国民投票そのものが周知されていなかったり、改正に消極的な意見もあるなど、可決に必要な有権者の過半数の賛成を得られるかどうかは不透明です。

 

台湾統一地方選挙2022:

https://www.thenewslens.com/election/2022/mayor/jp

 

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