注目ポイント
正港とは「正統な、本場の」などを意味する台湾語。「あの街の“正港台湾料理店”」は、日本で台湾の食文化にこだわる料理人のストーリーと食を追い求める連載です。第8回目は、銀座で台湾屋台料理の人気店を営んだオーナーが、多くの若者で賑わう下北沢でオープンした「台湾綺鶏(タイワンキッチン)」を訪れた。
インタビューを通じて許さんから伺う料理の話は、実に分かりやすく興味深い。台湾料理と他の料理との違いを尋ねた際も、気候や風土、歴史的背景、また食材に対するアプローチや薬味の活用法、そして味付けの特徴や手順まで、見事にその違いを理論的に紐解いてくれた。そのようにして、一つひとつの料理の“美味い”をとことん追求しているのだとあらためて感じさせられる。
「日本で商売する以上、日本人に受け入れられなければ意味がない」と語る許さんであるが、ここ下北沢から始まる“美味い”の波は、間違いなく日本人の舌と心を捉え、次から次へと伝播していくに違いない。「台湾料理居酒屋のような店舗作りも構想にある」とも語ってくれたが、ぜひともそんなお店で、気の合う仲間と連れ立って、許さんが腕を振るう料理の数々を存分に味わってみたいと思う。
店舗概要
名称:台湾綺鶏(タイワンキッチン)
住所:東京都世田谷区北沢2-12-15
営業時間:火曜 - 日曜 11:00 〜20:00
定休日:月曜日
席数:8席
電話番号:03-6876-7745
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