注目ポイント
中東初のサッカーワールドカップ(W杯)となるカタール大会が20日、ついに開幕した。23日には日本代表が初戦でW杯優勝4度のドイツ相手に2‐1の劇的な逆転勝利をもぎ取り、前日にはサウジアラビアも、メッシ率いる優勝候補アルゼンチンを2‐1で撃破するなど、いきなりの大盛り上がりとなっている。そんな中、米FOXスポーツの開会式報道が波紋を呼んでいる。
ちなみに、国営航空会社カタール航空は、FOXによるW杯報道の主要スポンサーだ。
対照的に、同じ米国でもW杯のスペイン語放映権を所有するテレムンドは、FOXスポーツより厳格な方針を取ると明言した。「私たちは自分たちが残した問題について話さなければならないと思す。大会終了まで、発生する可能性のある地政学的な問題を無視することはない」とテレムンドのレイ・ウォーレン社長は主張した。
W杯米国代表はチームの見解について、ガーディアン紙は、「微妙ではあるが印象的なメッセージ」を送ったと伝えた。同性愛や同性間の性行為が法律で禁じられているカタールに到着後、チームのトレーニング施設で、虹色を使って「USA」とデザインされた、ひときわ目立つチームのロゴを掲げた。明らかにLGBTQを支持する「レインボーフラッグ」を取り入れたものだ。
米国代表のヘッドコーチ、グレッグ・バーホルター氏は、「社会問題に注意を向けたいと考えるのは米国だけではない」とし、「カタールが進歩し、その進歩は大きなものだったことは認識しているが、まだやるべきことがいくつかある」と述べた。
そんな中、フランス・サッカー1部パリ・サンジェルマンのナセル・アルケライフィ会長は、同氏に母国カタールに対する批判報道に反発。アルケライフィ氏は英ラジオ局「トーク・スポーツ」にカタールが完璧な国ではないと認めた上で、「世界はカタールに対してとても不公平な態度を取っている。メディアは本当に否定的だ。もちろん我々は完璧ではないが、ベストを尽くしている」と不満をあらわにした。