2022-11-23 政治・国際

半導体の脱台湾化問題は「絶対にない」=王経済相/台湾

注目ポイント

半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀氏が米アリゾナ州に回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の新工場を建設する計画を明らかにしたのを受け、半導体のサプライチェーン(供給網)から台湾を外す「脱台湾化」の問題に再び関心が集まっている。

イメージ=Pixabayから

(台北中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀氏が米アリゾナ州に回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体の新工場を建設する計画を明らかにしたのを受け、半導体のサプライチェーン(供給網)から台湾を外す「脱台湾化」の問題に再び関心が集まっている。王美花(おうびか)経済部長(経済相)は22日、TSMCが台湾で最先端製造ラインの建設を計画していることなどに触れ、脱台湾化の問題は「絶対にない」と述べた。

台北市内で開かれた「半導体台日投資カンファレンス」に出席する前に報道陣の取材に答えた。

TSMCはアリゾナ州に5ナノの工場を建設中。来月6日には最初の製造装置を搬入する式典が行われ、2024年に量産を開始する予定。

王氏は、TSMCが南部・台南市に建設した3ナノの工場ですでに量産が始まっており、北部・新竹県では超高性能の2ナノの工場用地の整地が進められていると言及。政府も将来的な1ナノの発展に向け、新竹サイエンスパーク龍潭園区(桃園市)の拡張を進めていくと説明した上で、TSMCに今後の最先端製造プロセスのいずれをも台湾に置いてもらえるようにすると述べた。

また、台湾は世界の半導体産業において最も主要な生産基地であり、世界に半導体を供給する大動脈でもあると強調した。

(鄭鴻達/編集:名切千絵)

あわせて読みたい