2022-11-25 政治・国際

混戦!乱戦?台湾・新竹、桃園両市長選の迷走ぶり

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注目ポイント

台湾統一地方選挙が11月26日に行われます。今回の選挙では台北市長が誰になるのか大いに注目されていますが、著しい発展を遂げた新竹市と直轄市の桃園市とのスキャンダル合戦の結果からも目が離せません。与党民進党と最大野党国民党の分布図はどう変化するのか或いはしないのか、里長(町内会会長)選挙では美女軍団の大量当選なるか、興味の種はつきません。

台北市長、12人が立候補

柯文哲現台北市長の任期満了に伴い台北市長が交代します。12人が出馬表明をしていますが、日本の報道ではほとんど取り上げられていないようです。実質、国民党の蒋萬安、民進党の陳時中、そして無所属の黄珊珊による三つ巴の様相を呈しています。

蒋萬安は若き弁護士でイケメン、しかもご先祖はなんとあの蒋介石で、萬安氏は曾孫にあたるそうです。でも萬安氏の父親蒋孝厳は蒋介石の長男蒋経国(元総統)の正妻の子ではないとのことで、これが対立党からの攻撃のネタに使われています。しかし台湾の年配者たちはやはりあの蒋介石の曾孫だということで一目置いているようで、その人気ぶりは今のところ3候補の中でトップです。

陳時中はCDC(疾病予防管理センター)所長兼衛生福利省大臣で、2020年から新型コロナに感染した人数や重症者の発表、対策や警告などほぼ毎日テレビの定例会見で発表してきました。台湾の人々にとっては非常に馴染みのある顔で、また、台湾をコロナ優等生として世界にその名を轟かせた人の一人ということで「仕事ができる」ことはすでに証明され、国民からの厚い信頼を得ています。

黄珊珊は1998年から台北市議会議員を20年近く務め、2019年10月、柯文哲市長の下で副市長に任命されました。台北市の行政、防疫、都市計画、住宅事情などに精通していて、台北市の将来を任せられる一人です。

新北市市長は道半ばで職責放棄?

台北市のお隣、新北市の市長候補は国民党の侯友宜で、将来の大統領選に出馬できるほど人望がある実力者です。2年後の大統領選への出馬をほのめかしています。ただ、桃園市民が任期途中で市長職を放棄する形となる彼を受け入れるかどうか。先日行われた世論調査では約半数の国民が新北市市長の職を途中で投げ出すことに反対しています。

自分の住んでいる町の長が国のトップになったら、あなたなら故郷の誇りと思いますか?それとも途中で職責を放棄して無責任だと思いますか?

桃園と新竹、それぞれの仁義なき戦い

新竹市の元市長林智堅(民進党)は新竹生まれの47歳、きりっとした顔立ちで7年半も市長を務めましたが、今年の7月に桃園市の市長に立候補するため新竹市長を辞任しました。しかしその後林智堅氏が在籍した台湾大学と中華大学で論文盗作事件が明るみに出て修士号が取り消され窮地に追い込まれました。と同時に林氏が12億台湾元も費やして建設した肝いりの新竹市野球場の欠陥も見つかり万事休す、結局桃園市市長の立候補も取りやめとなりました。民進党は新竹市の次期市長候補として沈慧虹氏を立てることにしました。

民進党候補者が新竹でぐずついている間に民衆党は高虹安女史を新竹市長戦の対抗馬として立てました。高氏はストレートロングヘアの美女で、弱り目の民進党への対抗馬として力を発揮するはずでしたが、民進党から執拗に攻撃され満身創痍の状態です。どんなことを言われたかというと、帰国後は国のために一定期間働くと約束をして国費で留学したにもかかわらず、その約束を破っただとか、国から支給されている立法院アシスタントの給料をピンハネしているだとか、腕に注射針を刺したまま街頭演説をして、「ガンバッテル感」をアピールするあざとい女だとか散々な言われようです。スキャンダル合戦、ネガティブキャンペーンの新竹には同情しますが、どうなることやら。

また、民進党の牙城であった桃園市ですが、現職の鄭文燦は任期満了、後任候補だった林智堅はスキャンダルによって撤退、苦戦が予想される民進党ピンチヒッター鄭運鵬は国民党の候補者張善政と市長の座を争います。この市長選挙は大統領選の試金石になるはずです。

桃園が青空の町(国民党)になるのか、緑豊かな町(民進党)になるのか、注目しましょう。

 

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