2022-11-22 政治・国際

統一地方選/海外記者の目に映る台湾の統一地方選 両岸情勢、候補者の品格、女性の政治参画

注目ポイント

4年に1度の統一地方選が26日に迫っている。2024年の次期総統選の「前哨戦」とも言われるが、今回の選挙戦は海外メディアの記者たちにはどう映っているのか。

(台北中央社)4年に1度の統一地方選が26日に迫っている。2024年の次期総統選の「前哨戦」とも言われるが、今回の選挙戦は海外メディアの記者たちにはどう映っているのか。中央社記者が取材した。


▽気になるのはやはり「台湾海峡情勢」

独国営「ドイチェ・ベレ」台北事務所主任の鄒宗翰氏(本人のフェイスブックより)

独国営「ドイチェ・ベレ」台北事務所主任の鄒宗翰氏は、地方選の重要度は相対的に低いものの、指標としての意味合いを持つと指摘。各政党の動向や現政権への影響に注意を払うと説明する。

鄒氏によれば、ドイツではショルツ首相の今月初旬の訪中に反感を覚える人が半数以上を占めており、両岸(台湾と中国)間の緊張が高まる中、蔡英文(さいえいぶん)総統が両岸政策で台湾の市民の支持を得られるかにドイツの人々は注目しているという。

フィリピンの「ザ・フィリピノ・チャンネル」台湾特派員のマリー・ヤン氏も、両岸情勢が選挙にどのような影響をもたらすかに注目していると話した。

 


▽試される候補者の「品格」

香港の記者、トンプソン・チャウ氏(本人提供)

香港の記者、トンプソン・チャウ氏は、今回の選挙戦では、両岸関係や2年後の次期総統選以上に、地方や候補者自身に焦点が当てられていると語る。候補者の論文の盗用問題が取り沙汰され、両岸関係における立場や汚職疑惑よりも大きな関心が寄せられたと指摘した。

桃園市長選では、与党・民進党の林智堅(りんちけん)前新竹市長が出馬予定だったが、修士論文の盗用を指摘された。台湾大の調査委員会が盗用を認定し、林氏は立候補断念に追い込まれた。

▽目を引く女性の政治参画

中央選挙委員会の統計では、首長選に立候補している女性は24人に上り、過去30年で最多となった。各県市の議会議員に出馬する女性候補者の割合も上がっている。

鄒氏は、女性の候補者が多いことは海外メディアが注目しているポイントだと言及。新たに選ばれた中国共産党の中央政治局員24人が全員男性だったことに触れ、両岸間で非常に対照的になっていると指摘した。

▽世界が目を見張る台湾の民主主義

ポーランドの記者、Tomasz Śniedziewski氏(本人提供)

2011年から台湾に暮らすポーランドの記者、Tomasz Śniedziewski氏は、台湾は独特の選挙運動文化を発展させていると語る。候補者がそれぞれ、名入りのベストに身を包み、選挙カーで街を回る様子は興味深いという。

選挙のたびに有権者が続々と帰省する様子も印象に残っていると話した。投票のために海外からわざわざ帰国する人もいることに触れ、「これほどまで真剣に選挙に向き合う態度は多くの民主主義国家にとって模範ともいえる」と評価した。

台湾の人々の選挙に対する情熱は、国際社会における台湾の地位と関係しているように思えるとヤン氏。台湾の有権者は一票を投じることによって、自身の声を国際社会に届けようとしているとの見方を示した。

(鄧佩儒、閻文韜、葉允凱/編集:楊千慧)

 

あわせて読みたい