2022-11-22 政治・国際

米CBSなど公式ツイッターの利用止める マスク氏による買収後の不確実性に嫌気

© Photo Credit: Reuters /達志影像

注目ポイント

世界一の富豪イーロン・マスク氏がツイッター社を買収し、世界中の従業員の半数を解雇するなど、極端な合理化策を打ち出す中、先行き不透明な同社プラットフォームの利用を止める報道機関が出てきた。CNNは、もしツイッターが無くなれば、国際社会への影響がいかに大きいかを解説した。

米ニュースメディア大手CBSニュースは先週末、マスク氏が運営するツイッターを今後、使用しないことを決定。CBSのニュース番組「CBSイブニングニュース」の中でジョナサン・ヴィグリオッティ記者は、同社の公式ツイッターが更新されることはもうないと告知した。

その理由として同記者は、ツイッター社内では現在、大混乱が起きているとした上で、多くの社員が退社したため、ギリギリの状態で運営されており、倒産も危惧されると伝えた。

米ニュースサイト「TMZ」は、CBSのような大手ニュースメディアがツイッターと決別することは、非常に重要な意味を持つと指摘。多くのニュースメディアはユーザーのために公式ツイッターを更新するだけではなく、報道側にとっても直接ニュースソースから情報を得る日常的なツールになっていたとした。

CBS本社だけではなく、全米各地を網羅するネットワーク局もそれぞれの公式ツイッターの更新をストップしたという。TMZによると、カリフォルニア州ベイエリアの放送局KPIXの場合は18日を最後に、公式ツイッターを更新していない。

もしCBSに続き、他の大手メディアも同様の決定をした場合、TMZはツイッター離れが加速する可能性があるとしている。

一方、米CNNは、「もしツイッターが無くなれば何が起きるのか」について検証した。

CNNは、「そんな疑問はつい数週間前まで考えられないことだった」とした上で、「ツイッターの新たな社主であるマスク氏の一連の突飛な思いつきにより、同プラットフォームの将来は不確実なものになった」とした。

さらに、もしツイッターが突然消えてしまった場合、今やグローバルコミュニケーションに必要不可欠となっている現状を考えると、その影響は膨大なものになると推測する。

マスク氏は先月、総額440億ドル(約6兆242億円)でツイッター社を買収。同時に同社幹部を全てクビにし、世界各地の社員7500人のうち、約半数も解雇するという異例の合理化策で、財務状況の改善を目指している。

だが、フォルクスワーゲンやファイザー、アウディなどの大手企業は、マスク氏の指揮下でツイッターがどう変わるかを見極めるまでの間、広告を一時停止。広告収入減に対処するため、マスク氏はユーザーに対して、認証済みバッジの有料化を発表。ツイッター周辺では急激な変革に動揺が広がっている。

そんな中、マスク氏は19日、同社の経営方針を表明した。「ツイッターの新たな方針は言論の自由だ。ただし拡散の自由ではない」とし、「ネガティブやヘイトのツイートは最大限抑制され、収益化が無効化されるため、ツイッターへの広告やその他の収益はなくなる」と説明した。

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