2022-11-26 観光

月イチ連載「季節の『おいしい』を探す台湾市場めぐり」第二回:おしゃれな雰囲気が漂う台北・天母エリアのマーケット、士東市場へ

注目ポイント

台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾各地の歴史ある市場やファーマーズマーケットを舞台に、季節のおいしい食材や台湾らしいユニークなモノやコト、その楽しみ方を紹介する月イチ連載。今回取り上げるのは、外国人が多く暮らす台北・天母エリアの士東市場。その快適な買い物環境から「五つ星市場」とも呼ばれています。

台湾食材からめずらしい輸入食材までそろう市場

台北市内中心部から少し離れた天母エリアに、5つ星ランクの模範的なローカルマーケットという評価を得た市場があります。今回ご紹介する「士東市場」は、伝統市場でありながら明るく洗練されたムードが漂い、清潔さや品ぞろえの豊富さなどで市民から愛されているスポットです。

士東市場(市場内の風景)

天母エリアに外国人ファミリーが多く住んでいることもあって、青果店には洋食向きのカラフルな野菜やめずらしい野菜、ハーブ類がいっぱい!  価格も高級デパートや輸入スーパーに比べると手頃。いろいろな国の料理をつくるのが好きな私たち夫婦にとってはまさに天国のような市場なのです。

野菜(士東市場)

季節ごとに変わるディスプレイも楽しみのひとつ

1Fは生鮮食材を扱うお店を中心として、フラワーショップ、コーヒーショップ、輸入食品店も点在。ディスプレイひとつとってもほかの市場ではなかなか見られない華やかさで、ぐるりと一周するだけでも気分が上がります。あとひと月でクリスマスということもあり、お花屋さんには真っ赤なポインセチアの鉢植えが並び始めていました。

ポインセチア(士東市場)

11月に入って、青果店で販売される野菜や果物のラインナップも少しずつ秋冬仕様に。白菜、キャベツ、ほうれん草といった葉もの野菜、さつまいもに山芋、大根、にんじん——台湾らしいものでは「菜心(ツァイシン)」という野菜の芯の部分も多く見かけました。菜心は、外側の皮をむいて塩をふるなどの下処理を行った後、漬物にしたり炒めものにしたりして食べるのが定番です。

菜心(士東市場)

今の時期においしいものといえば、カニ! 台湾にも、写真の大閘蟹(いわゆる上海ガニ)のほか、​​​​花蟹(ハナガニ)、麵包蟹(パンガニ)などさまざまな種類が出まわっています。先日も別の市場でカニを買い、混ぜ麺をつくって味わいました。旬が終わる前に、また別のカニ料理にもチャレンジするつもりでいます。

大閘蟹(士東市場)

多彩なローカルフードがあつまる2Fも要チェック

2Fには衣類・雑貨を販売する小さなショップが連なり、そのほかのスペースはフードコートのような飲食店エリアになっています。こちらもしっかりと整備されていますが、ローカルさは健在。麺料理や客家料理、肉まん、野菜まんほか具材が選べる包子(バオズ)、伝統的な豆花(台湾のお豆腐スイーツ)などが人気です。

市場自体は朝から夕方まで営業していますが、生鮮食品のお店は早めに閉まるところが多そう。おみやげの買い出しと観光を兼ねて訪れるなら、午前中からお昼にかけての時間帯がおすすめですよ。

 

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