2022-11-18 政治・国際

「神様がこのポジションをくれたから、しっかり耐えないと次のステップには進めない」~26日の台北市長選に出馬する黃珊珊副市長に独占インタビュー~

© The News Lens / TJ Ting

注目ポイント

台北市の副市長・黃珊珊氏が今月26日に行われる統一地方選の台北市長選に無所属で出馬すると表明し大きな話題となった。その黄氏は、自分がまだ弁護士や市議会議員のときは、色々な物事に対して、話すことしかできないと感じる場面が多かったが、副市長になってからは「聞く」、「話す」、「行動する」ことができるようになったため、毎日台北を少しずつ変えていくことができ、そのことで台北という都市がとても変わったと感じている。

【インタビュー:楊士範、ライター:黃皓筠】


午後、台北市の無所属市長候補の黃氏がスタジオを訪れた。台北市の青、緑、白の「三つどもえ」の白熱した戦場の中心にいる黃氏は、リラックスした様子。市議員6期から副市長になるまで20年近く政治に携わり、その間に大病を患った黃氏はインタビュー中、選挙と人生について、おおらかな雰囲気で語った。


今回の選挙の感想を聞いてみると「世論調査はあくまで参考で、相手が汚い水をかけてきたら、緊張していると受け止めている」と笑って答えた。もともと市長選に出馬することは予想外であり、もし副市長に任命されなかったら、自分に市長を務める能力があるかどうかさえ知らなかったと言う。未知の結果に対して、黃氏は「今日は明日のことを考えない。考えたら萎縮してしまうから。目標を決めてそれに向かって突き進むだけで、残りは神様に任せる」と言った。


Q:あなたの「住居に正義を3.0」の説明を見ましたが、私の同僚が「台北市の住宅価格や家賃は高すぎるし、多くの住宅は古いし、新しくて合理的な公営住宅は当たらない」と言ってました。もし、わかりやすい方法で若い投票者に伝えるとして、どのようにしたら彼らの心に響くと思いますか?

A(黃氏):台北市で若者が住めるようにする方法はいくつかあります。1つ目は公営住宅で、実は台北市は長い間建設に取り組んでおり、現在、公営住宅の数は全国で1位の2万世帯弱です。2つ目はサブリースで、家賃補助も入れると実際には2万世帯あり、公営住宅と合わせて約4万世帯になります。

しかし、これだけではまだ十分ではありません。台北市の家賃は高すぎて、ワンルームで1万台湾ドルから2万台湾ドルもするのですから、本当に怖いです。注目したいポイントは、賃貸物件のプラットフォームが不透明なため、大家が広告を出したくない状況になっていることです。ですから大家にプレッシャーをかけない、透明で合理的な賃貸市場を作ることが、私たちの次の目標になるかもしれません。

実際、首都圏全体の発展を考えると、全ての若者がここに住むのは理想的ではなく、郊外に住む人もいるはずです。昼間は市街地で仕事をし、夜は郊外の家に帰るというのが本来のトレンドです。

実はかつて、新北市に公営住宅を建設し、台北市で仕事をする案を検討したことがあり、実際、美河市や林口ユニバーシアードの選手村は台北市が建設しました。私たちはこれらの住宅を、公営住宅にそのまま利用したかったのですが、中華民国の法律は非常に面白く、住宅が新北市にあるので、台北市の公営住宅にすると「戸籍法」に抵触してしまうのです。「戸籍法」によれば、新北市に公営住宅を建設した場合、そこに市民が住み込めば新北市民となり、当然、台北市民としての福利厚生は失われ、結局、台北市外の公営住宅を台北市の公営住宅として運用することはできませんでした。

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