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蔡英文(さいえいぶん)総統は16日、米シンクタンクなどが主催する会議に事前収録した動画で講演し、台湾の経験を通じ、権威主義に対抗する他国に協力していく姿勢を示した。蔡総統は講演で、台湾が約30年前に民主主義を勝ち取った経験を振り返り、「台湾人は一度この道を選べば決して振り向かない」と強調。

(ワシントン中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統は16日、米シンクタンクなどが主催する会議に事前収録した動画で講演し、台湾の経験を通じ、権威主義に対抗する他国に協力していく姿勢を示した。
会議は米テキサス州ダラスのジョージ・ブッシュ(子)大統領センター傘下のジョージ・ブッシュ研究所や国際人権団体「フリーダムハウス」、全米民主主義基金(NED)が共同で開催。蔡総統の講演前にはブッシュ(子)元米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が対談する予定だったが、ゼレンスキー氏は15日のロシア軍によるウクライナ各地へのミサイル攻撃に対応するため欠席した。
蔡総統は講演で、台湾が約30年前に民主主義を勝ち取った経験を振り返り、「台湾人は一度この道を選べば決して振り向かない」と強調。中国の連日の軍事的威嚇や影響力工作など台湾の民主主義を脅かす各種の行動に触れ、台湾の人々はこれに冷静に立ち向かい、「自身の技能や専門知識を活用して権威主義の干渉に対抗するのを避けたことは決してない」と訴えた。
その上で、台湾にとって民主主義は人々を団結させる基本的価値観であるだけでなく、大きな挑戦に立ち向かう重要な資産だとし、「今、台湾は世界と経験を分かち合い、同盟関係を結ぶことができる。それによって民主主義国家がより効果的に危機に対応し、権威主義の脅威に対抗できるようにする」と世界を支援していきたい考えを示した。
(徐薇婷/編集:名切千絵)