2022-11-17 テクノロジー

台湾、戦術用無人ヘリコプター開発 国軍の偵察・監視任務に投入へ

注目ポイント

政府系研究機関の国家中山科学研究院(中科院)は15日、台湾が独自に開発した戦術用無人ヘリコプターをメディアに公開した。中科院航空研究所の斉立平所長は、行動半径は30キロ、飛行可能時間は約1時間とし、国軍の目視外偵察力などを高められると語る。部品を提供しているメーカーは全て調査を行い、中国資本が関わっておらず、中国と大量の取り引きを行っていないことが証明されていると説明。

台湾、戦術用無人ヘリコプター開発 国軍の偵察・監視任務に投入へ

(台中中央社)政府系研究機関の国家中山科学研究院(中科院)は15日、台湾が独自に開発した戦術用無人ヘリコプターをメディアに公開した。将来的に台湾近海や沿海部の偵察・監視任務を担うとしている。

中科院によると、無人ヘリコプターは物資の搭載能力に優れ、滞空時間も長く、定点で長時間の監視ができる他、風速10.8~13.8メートルの強い風にも耐えられるという。自動での離着陸や飛行の他、映像の撮影、転送機能も有する。

中科院航空研究所の斉立平所長は、行動半径は30キロ、飛行可能時間は約1時間とし、国軍の目視外偵察力などを高められると語る。陸軍司令部は7億7998万台湾元(約35億1000万円)を投じ、同院から戦術用無人ヘリコプター50セットを購入する予定だ。

この日は、係員がスイッチを押して離陸させると、自動で飛行した後、一定の場所で滞空して情報を収集し、その後着陸するデモンストレーションが行われた。

この他会場には同じく中科院が開発した大型無人機の「騰雲」も展示された。長距離での偵察・監視能力があり、行動半径は1100キロ、飛行可能時間も20時間程度とし、来年以降、空軍の需要に応じて量産を始める予定だという。

また斉氏は、部品を提供しているメーカーは全て調査を行い、中国資本が関わっておらず、中国と大量の取り引きを行っていないことが証明されていると説明。中国製の部品が混じることはないと強調した。

(陳俊華/編集:齊藤啓介)

 

大型無人機の「騰雲」
大型無人機の「騰雲」

 

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