2022-11-17 ライフ

和風デザインはほぼ皆無? 台湾で人気のフラワーデザイン

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

台湾で好まれるフラワーデザインはドイツ流のヨーロピアンデザイン。アレンジメントよりも花束が圧倒的に人気で、SNS映えしやすい韓国風のラッピングを施した豪華なものが好まれるなど、フラワーデザインにおいて日本文化の影響はあまり感じられない。

台湾人と日本人では、花の好みは異なる。それは台湾に限ったことではなく、それぞれの国ごとに文化や流通している花の種類が異なるため、至極当然のことである。今回は台湾ではどういったフラワーデザインが好まれるかをご紹介していく。

台湾で流行のフラワーデザイン

台湾は歴史上、数々の国に統治されてきた経緯がある。そのため多くの文化が入り混じり、中でも日本統治時代の影響は現代の台湾でも色濃く残っている。親日国で知られる台湾では、テレビで日本の番組が放送されたり、街中には日本製品や日本語があふれ、台湾人たちは幼少期から日本文化に慣れ親しんでいる。

だが、フラワーデザインにおいては日本の影響はあまり受けていないように思う。最近の台湾では、ドイツ流のヨーロピアンデザインが非常に人気だ。ドイツは自然豊かな国で、その自然体に即した形で花の造形を行う。また色使いも独特で、落ち着いた色を基調としながら派手な色も取り入れて全体をシックにまとめる。日本でいうヨーロピアンデザインも、基本的にはドイツ流のフラワーデザインを指す場合が多い。ドイツ流のデザインは、昨今のSNS映えとも相性が良く、若い世代を中心に多くの台湾人に支持されている。

Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

花束が主流、ラッピングは韓国風が人気

台湾ではアレンジメントよりも花束の方が圧倒的に人気である。日本の場合は、貰う側の都合も考え、アレンジメントを購入される方も多い。花瓶があるかわからなかったり、水替えの手入れが面倒だったりするためだ。しかし、大きさや量を重視する台湾では、花束の方が大きく豪華に見えることや、誕生日会や発表会などのイベントで花を手渡す場合が多いため、結果として花束の方が好まれる傾向にある。

そして、花束のラッピングのデザインや考え方についても、日本との違いがある。日本では、ラッピングには花を美しく見えるようにする意味の他に、花の保護も兼ねている。そのため花全体を包む形で包装し、場合によってはラッピングペーパーの上から透明のセロハンで包み保護することが多い。

一方、台湾では韓国風のラッピングが人気である。韓国風のラッピングとは、ラッピングペーパーを何枚も使い華やかに見せ、花々の全体像が見えるように包む方法である。花がよく見えるためSNS映えしやすく、インフルエンサーの間でも人気のデザインとなっている。

和風デザインは珍しがられる

親日国である台湾では、街中で和風デザインのものをよく目にする。デザインという大きい枠で見た場合、和風デザインというのは1つの独立したカテゴリに分類されているように思う。ただ、花においては和風デザインのものを販売している花屋は少なく、当店以外で見かけたことはあまりない。日本のいけばなは、日系のホテルや和菓子屋などで見かけるものの、商品として販売している花屋は皆無である。

私が大切にしている和風デザインとは、主に季節の花材を使用し、全体をいけばな調に仕上げることだ。台湾でも中華式のいけばなはあるものの、日本のいけばなとは異なる。季節感のあまりない台湾で春夏秋冬に応じた花材を入手するのは大変ではあるが、そこは日本人の花屋としてこだわりたい部分である。

日本人の花屋が非常に珍しいということもあるが、和風デザインの花が欲しいというご注文は当店でも以前からしばしばいただいている。お客様や受け取った方から「珍しい」「嬉しい」とお喜びのお言葉をいただくことも多い。私自身も日本人として季節を感じられる花を提供できることは非常に嬉しく思う。これからもさらに新しいデザインを探求し、多くの台湾の方々に喜んでいただけるよう日々努力を重ねていく。


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