2022-11-14 政治・国際

COP27で資金支援など交渉本格化へ 先進国と途上国の対立の構図あらわに

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注目ポイント

2030年までに温室効果ガス削減を加速させる計画の策定を目指して、今月6日から2週間の日程で、エジプト・シャルムエルシェイクで開かれている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)。気候変動の悪影響による被害への資金支援などをめぐり、先進国側と途上国側で激しい議論が続く中、14日から各国を代表する閣僚級の会合が始まり、交渉が本格化する。

COP27で議論されているテーマは大きく分けて3点。最大の争点となるのが「損失と損害」への支援策だ。異常気象による干ばつや風水害など、地球温暖化が引き起こす悪影響で大きな被害を受けるのはインフラ整備が脆弱な途上国。そのため先進国からの資金支援や、脱炭素や災害からの復興のための技術支援が求められている。

2009年にデンマーク・コペンハーゲンで行われた「COP15」で先進国側は、気候変動対策のため途上国に年間1000億ドル(約13兆8800億円)の支援を約束したが、目標を達成した年はまだないというのだが現状だ。一方、途上国側は「損失と損害」のためだけに特化した新たな基金の創設を求めている。

だが、新たな資金拠出に慎重な先進国側と、温暖化の責任を負うよう求める途上国側との間には大きな認識の違いがある。

さらに、今年の会議が、気候変動により深刻な悪影響を受けているアフリカでの開催ということもあり、議長国エジプトが「損失と損害」への資金支援を優先課題として位置づけている。だが、開幕前から、この議題を盛り込むかどうかで、先進国と途上国の間で意見が対立するなど、両側の妥協点を見出すのは困難とみられている。

2点目のテーマはロシアによるウクライナ侵攻とエネルギー資源に関する議論で、戦争が地球温暖化に拍車をかけているというものだ。

2月24日、ウクライナに侵攻したロシアに対し、西側はただちに厳しい制裁を課した。それにより、ロシアからの天然ガスに大きく依存してきたドイツなど多くの欧州諸国は、代替エネルギー源として入手しやすい石炭を調達。この冬を乗り越えるため、苦肉の策として石炭による火力発電の再稼働を進めている。

石炭による火力発電は天然ガスに比べ、温室効果ガスの排出量が約2倍とされ、結果、温暖化を加速させる結果になりかねないという深刻な問題が起きている。

3点目のテーマは参加国が温室効果ガスの排出削減目標を引き上げることができるかだ。排出削減とは、2015年の「パリ協定」で示された「1・5度」という数値目標。19世紀の産業革命前から比較して、世界平均気温の上昇を今世紀末までに「1・5度」以下に抑えるよう、各国がそれぞれ削減目標を下回れるよう努力するという取り組みだ。

だが、世界平均気温は現在の段階ですでに1・1度上昇。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、今後20年以内に1・5度に一時的に到達する可能性があると指摘。

また、「気候変動に関する国際連合枠組条約」の事務局は先月、各国が示している温室効果ガスの削減目標を達成したとしても、今世紀末には2・5度前後の上昇が予測されるとの見解を表明した。この枠組条約は1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロでの環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で締結された。

今回は8年後の30年に向け、実効性ある排出量削減計画を採択できるかが焦点で、15日からの閣僚級会合で交渉が本格化する。国別のエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量で1位の中国や2位の米国、3位のインドなど主要排出国はさらなる努力を求められることは必至だ。

COP27は100か国以上の首脳らが出席し、会議は18日まで2週間開かれている。



 

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