2022-11-25 ライフ

起業志向の強さも関係 台湾ではどんな場面で花を贈る?

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注目ポイント

花は人生の重要な場面で必ずと言っていいほど必要になる。台湾人と日本人の人生観の違いから、台湾で花が必要になる場面、台湾特有の花文化を紹介する。

花屋の仕事というのは、非常に多岐に渡る。店頭販売の一般的な花屋もあれば、今はインターネット店舗だけの花屋も決して少なくない。また、花屋の仕事は人生において重要な節目に携わることが多い。入学や卒表、入社や退社、結婚、出産、新居購入、開業、葬式など、重要場面では必ずと言っていいほど花が必要になる。今回は、日本と台湾の人生観や文化の比較しながら、台湾でどういった場面で花を贈る場合が多いのかをご紹介する。

台湾と日本の人生観の違い

日本では一般的には、良い学校に入り、良い仕事に就き、結婚、出産、マイホーム購入が安定した理想の人生とされる場合が多い。もちろん、時代と共に新しい価値観や多様性が重視され、決してそういった人生が良しとされる風潮ではなくなってきている面もある。台湾の場合も同様に、このような人生観が理想とされているが、学歴社会に関しては台湾の方が根深く残っているかもしれない。また、結婚の際には、車と家の購入を結婚の条件にしている親もいまだに多い。

一方、仕事に関しては日本は終身雇用が理想とされているのに対し、台湾では終身雇用が必ずしも良しとされているわけではない。ここは欧米式に近いものがあり、転職を繰り返し、数多くの仕事を経験しスキルアップをした方が高給な仕事に就きやすいといった風潮もある。また、日本と異なり非常に起業しやすい社会システムになっており、20代でも独立し自分の会社や店を持つ人も多い。そういった自由な思想は、日本とは異なった文化であり、私が台湾に移住を決断した理由の一つでもある。

台湾で花が必要な人生の場面

このように日本と比較した場合、人生における重要な場面は台湾の方が若干多いのかもしれない。そういった文化について知っておくことも、花屋の仕事の一つである。お客様と会話をしていると、お客様のさまざまな背景や花を贈りたいという気持ちを知ることができ、届け先の方の人生の重要な場面に、その名のとおり「花を添える」ことができるのは、花屋の仕事の醍醐味である。

台湾の首都、台北にある私の店の場合、お客様が花を贈る用途として最も多いのは開店祝いである。土地柄もあるが、先述したとおり台湾は非常に起業しやすい文化である。その為、毎日多くの開店祝いの花のご相談をいただいている。中でも、個人の美容院やカフェの開業祝いは多く、オーナーは20代から30代が一番多い。いくら起業しやすいと言っても、それなりのお金と能力がなくては起業するのは難しく、若くして自分の店を出すことには大変立派なことだと思う。

美容院やカフェは日本と比較するとかなり多い。台湾では時間があれば一人、または友人とおしゃれなカフェに行き、おしゃべりや仕事など自由な時間を過ごすのが人気だ。また、日本とは異なり大手企業や公務員でも髪型や服装の制限が緩いこともあり、台北には多くの美容院が軒を連ねる。

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恋人や家族に贈る花文化

次に多いのが、恋人や家族へ贈る花である。台湾では、日本よりも花を自宅に飾る文化は少ないが、恋人や家族に花を贈る方は日本よりも多いと実感している。台湾では、バレンタインデー、ホワイトデー、七夕、クリスマスなどには恋人にプレゼントを贈る習慣がある。主に男性から女性へ贈る場合が一般的で、同性愛にも寛容な台湾では同性間でも贈り物をしあう方も少なくない。また、プロポーズの際には、ほとんどの方が花を贈り、結婚式や結婚式の前撮り写真にも必ず花を使う。そういった面では、人生の重要なイベントが20代から30代で多いのは、あまり日本と変わらないかもしれない。

また、母の日やハロウィン、クリスマスなどには親に花を贈る方も多い。日本は核家族化し地縁血縁が薄れた昨今であるが、台湾では日本以上に家族の繋がりは重要なものとなる。1年の節目節目で、定期的に花を贈る方も多く、特に誕生日や結婚記念日などでなくても花を贈る方は多い。当店のオンラインショップでは、海外に在住の台湾人のお客様からも、ご両親への花のご注文をいただくことも多く、台湾人の家族間の絆の太さを感じることができる。こういった文化は、日本の戦後や昭和を彷彿させるものがあり、日本人も今一度家族の絆を見つめ直し、台湾に見習うべき文化ではないだろうか。

 

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