2022-11-06 政治・国際

統一地方選/台北市長選、有力候補3氏がテレビ討論会 論戦繰り広げる/台湾

注目ポイント

26日投開票される台北市長選挙のテレビ討論会が5日行われ、与党・民進党公認の陳時中前衛生福利部長(保健相)、野党・国民党公認の蒋万安立法委員(国会議員)、無所属の黄珊珊前台北副市長の有力候補3氏が舌戦を繰り広げた。

左から蒋万安氏、陳時中氏、黄珊珊氏=三立テレビ提供

(台北中央社)26日投開票される台北市長選挙のテレビ討論会が5日行われ、与党・民進党公認の陳時中(ちんじちゅう)前衛生福利部長(保健相)、野党・国民党公認の蒋万安(しょうばんあん)立法委員(国会議員)、無所属の黄珊珊(こうさんさん)前台北副市長の有力候補3氏が舌戦を繰り広げた。

8年ぶりの市政奪還を狙う国民党の蒋氏は若者支援や子育て支援を強くアピール。人口流出の問題に触れた上で、出産後に給付する生育奨励金の増額や家賃助成制度の条件緩和など具体的な政策を訴え、「若い世代への投資は台北の未来への投資だ」として若者が暮らしやすい環境づくりに力を入れる考えを示した。また、陳氏が新型コロナウイルス対応を担う中央感染症指揮センター指揮官在任時に携わったワクチン調達などを巡る疑惑に言及し、陳氏に明確な回答を求めた。

現台北市長の柯文哲(かぶんてつ)氏が党首を務める台湾民衆党の推薦を受ける黄氏は、台北市議を6期21年、台北副市長を約3年務めた経歴を前面に打ち出し、市政や市民のニーズを熟知した「即戦力」となれることを強調。国民党と民進党の対立から脱却し、「市民を優先」に考える姿勢を示し、「政党という服を脱いだ時に誰が最も市長にふさわしいか考えてみてほしい」と訴えた。

陳氏は蒋氏、黄氏から集中砲火を浴び、2候補からの質問に対する反論に多くの時間を割いた。自身が掲げる政策については、都市再開発や渋滞が深刻な市北西部の内湖地区の交通問題の解決などを推進する考えを示した。

中国との統一の賛否に関するメディア代表者からの質問に対しては、陳氏は「答えはもちろん『否定』だ」と明言。一方、蒋氏と黄氏は正面からの回答を避けた。蒋氏は「中華民国憲法を順守し、中華民国主権を守り、台湾の民主主義や自由、法の支配、人権の価値観を守ることこそが私のDNAだ」と述べた。黄氏は「民主主義で自由な生活様式は譲れない一線だ」とし、「平和第一、繁栄優先、市民至上」を原則とした都市間交流を行う考えを示した。

(蕭博文、陳昱婷、陳怡璇/編集:名切千絵)

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