2022-11-04 政治・国際

阿里山コーヒーが台湾マクドナルドで 国内初の国際認証取得

注目ポイント

台湾マクドナルドは2日、台北市内で記者会見を開き、南部・嘉義県の阿里山で栽培されたコーヒーを今月9日から同社が展開する「マックカフェ」で販売開始すると発表した。

阿里山でコーヒーを栽培するYUYUPASの鄭虞坪董事長

(台北中央社)台湾マクドナルドは2日、台北市内で記者会見を開き、南部・嘉義県の阿里山で栽培されたコーヒーを今月9日から同社が展開する「マックカフェ」で販売開始すると発表した。同社が採用の基準としている国際認証「レインフォレスト・アライアンス認証」を国内で最初に取得したコーヒーだという。

コーヒーを生産するYUYUPASは、台湾原住民(先住民)ツォウ族の集落に農園を構える。標高1200~1600メートルで栽培され、昼夜の寒暖差が大きいことから風味が豊かで、フルーティーな香りと烏龍茶のような甘みのある後味が楽しめる。

同認証は、環境や労働者などへの配慮に関する基準を満たしたコーヒーに与えられる。YUYUPASは、行政院農業委員会(農水省)農糧署の支援を受けて取得した。

手続きを始めたのは約2年前で、鄭虞坪董事長(会長)は、それまで経験を頼りに栽培していたが、認証取得のためにあらゆる「数値化」を求められ苦労したと述懐。肥料や発酵時の温度、汚水処理、トイレの距離まで規格に合った記録が必要だったという。

社名であるYUYUPASは、ツォウ族語で「豊かで安泰」を意味する。鄭氏は、自身は先住民ではないものの、地元のコーヒー産業が発展することで、若者たちが地元にとどまる機会が増えることに期待を寄せる。国際社会とのつながりができれば、より多くのツォウ族の若者が地元に戻ってくるはずだとの考えを示した。

台湾マクドナルドの林士文シニアマネジャーは、環境に配慮したコーヒー豆を採用することで責任ある調達ができた上、マクドナルドと台湾の農家が共に持続可能な社会づくりを具体的な行動で支持することを示せたと意義を語った。

価格は1杯120台湾元(約550円)で、10万杯の数量限定販売だという。

(陳清芳/編集:楊千慧)

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