2022-11-04 ライフ

謹厳実直ながら挑戦し続けた女性生涯を王室と国民に捧げた君主~故エリザベス女王に関する10の豆知識~

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注目ポイント

9月8日に亡くなったイギリス女王・エリザベス2世は、英国君主史上で最も年齢が高くかつ最も長く在位した人物である。

1952年に王位を引き継ぎ、今年で70周年を迎え、96歳で亡くなった一国の帝王は、現代社会における君主制の進化を見届け、その代名詞のような存在である。 ここでは、謹厳実直でありながら挑戦し続けた女性、かつ生涯を王室と国民に捧げた君主を理解するための女王に関する「10の豆知識」を紹介する。


#01:彼女は英国で最も長く在位した君主

これまでの記録保持者は、エリザベス2世の5世の祖にあたるヴィクトリア女王の在位期間63年と216日であり、エリザベス2世の在位期間は70年と214日であった。歴史上、在位期間が最も長かった君主は4歳でフランス王となり、72年と110日間在位した「太陽王」ルイ14世である。エリザベス2世はかつて、これほど長く在位できるのは個人的な目標ではないと語っている。彼女は歴史上、在位期間が最も長かった君主ではないが、少なくとも在位期間が最も長かった女性君主である。


#02:女王のウエディングドレスは衣類の配給券で賄われた

王室のプリンセスとして、ウエディングドレスはおとぎ話のプリンセスのように堂々とした、夢のあるものでなければならない。エリザベス2世ーー当時のエリザベス・アレクサンドラ・メアリー王女は、第二次世界大戦の2年後、ギリシャとデンマークのフィリップ・マウントバッテン王子と結婚した。戦後のイギリスは長い復興期を迎え、緊縮財政政策が実施され、多くの基礎物資が配給制のため配給券で交換しなければならず、プリンセスのウエディングドレスも例外ではなかった。イギリス中の人々がウエディングドレス製作に少しでも役立ちたい気持ちから、プリンセスのために大量の衣類配給券を寄付したが、当時配給券の転送は違法だったため、エリザベス王女は人々の好意を送り返さねばならなかった。

中国製シルクにルネサンス初期の画家サンドロ・ボッティチェッリの絵画からインスピレーションを得た柄を縫い付け、多くのクリスタルと1万個のパールをちりばめた美しいウェディングドレスを実現するために、英国政府は王室に200枚の衣類配給券を追加発行し、誠意を示したのである。
 

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#03:女王はコーギー王

女王のコーギー好きはよく知られており、映画「ミニオンズ」、「ロイヤルコーギー レックスの大冒険」、2012年ロンドンオリンピック開会式のスペシャルパフォーマンスなど、数えきれないほどの流行作品の中で、この小さな短足でお茶目な犬が女王の足元を跳ね回っているのが見られる。私生活が極めてプライベートな女王にとって、コーギーは彼女の個人的な嗜好を知ることができる数少ないものの1つである。女王はコーギーが好きなだけでなく、しつけも上手なため、世界中のコーギーファンの間でも女王的存在になっているといえる。

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