2022-10-31 台湾

台湾映画「流麻溝十五号」プレミア、白色テロの女性政治犯の物語を描く

注目ポイント

戦後の戒厳令下で国民党政権によって行われた政治的迫害「白色テロ」の女性被害者を題材にした台湾映画「流麻溝十五号」のプレミア上映イベントが27日、台北市内で開かれた。イベントにはチョウ監督や製作者のヤオ・ウェンチー(姚文智)前立法委員(国会議員)、ユーハンら出演者の他、90代の白色テロ被害者の張常美さんと息子の欧陽慧剛さんも出席した。

台湾映画「流麻溝十五号」のプレミア上映イベントに出席するゼロ・チョウ監督(右)と製作者のヤオ・ウェンチー(姚文智)さん

 

(台北中央社)戦後の戒厳令下で国民党政権によって行われた政治的迫害「白色テロ」の女性被害者を題材にした台湾映画「流麻溝十五号」のプレミア上映イベントが27日、台北市内で開かれた。会場には白色テロの実際の被害者も駆け付け、作品を鑑賞した。メガホンを取ったゼロ・チョウ(周美玲)監督は「この一切の史実をかつて経験した人がいる。私たちが最も願うのは、この映画で彼らを慰めることだ」と話した。

1950年代に政治犯として離島・緑島の刑務所に収容され、思想の再教育を受けた女性たちの物語を描いた作品。女性政治犯の口述記録などをまとめた書籍「流麻溝十五号:緑島女生分隊及其他」を基に映画化した。タイトルの「流麻溝十五号」とは緑島に拘禁された政治犯に与えられた戸籍所在地を指す。主演はリエン・ユーハン(連兪涵)やユー・ペイチェン(余佩真)ら。

イベントにはチョウ監督や製作者のヤオ・ウェンチー(姚文智)前立法委員(国会議員)、ユーハンら出演者の他、90代の白色テロ被害者の張常美さんと息子の欧陽慧剛さんも出席した。

ヤオ氏は、台湾には感動の物語が多くあり、それらは伝えられることが必要で、永遠に「話してはいけない」ものであってはならないと述べた上で、より多くの人がこの土地で発生した出来事をさかのぼり、実直に過去を反省して未来を照らせるようになればと期待を寄せた。

同作は台湾で28日公開。

(王心妤/編集:名切千絵)

 

 

影片來源:牽猴子電影粉絲俱樂部

 

頼清徳副総統(右手前)と手をつないで入場する白色テロ被害者の張常美さん

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