2022-10-31 観光

SNSから読み解く 台湾からの訪日旅行の動向

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

台湾からの訪日観光客はSNSやブログを主な情報源として、交通手段や宿泊・観光施設、飲食店などのリサーチに活用しているーー訪日台湾人の旅行情報源や日本での行動、人気の都道府県や観光地について、調査結果やSNSの投稿から読み解く。

台湾人の訪日旅行情報源は?

観光目的で訪日する台湾人の個人旅行者は、事前の念入りな旅行プランやリサーチを欠かさない。日本政府観光局の2019年の資料によると、最も旅行情報源として利用が多いのは34.8%を占めるSNSである。近年ではさらにSNS上に多くの日本の情報が掲載されていることもあり、やはりSNSでの情報収集は必須であると言えるだろう。

次に、34%がブログで情報収集をしている。在日の台湾人ブロガーや旅行経験者の情報は、現地のリアルな情報であり、アクセスやおすすめスポットの詳細情報なども書かれているため、よりスムーズに旅程をこなしたい場合に重要視されやすい。

また、得た情報の中で役立った情報としては、交通手段が1位の60%を占める。日本の交通事情は大変複雑であり、台湾人のみならず外国人にとっては事前にリサーチをしていない場合、目的地にたどり着くのは困難である。それは都市部の地下鉄等に限ったことではなく、地方でも同様である。公共交通機関で行ける場所には限界があり、最終的には車が必要であったり、徒歩で向かわないと行けない場合も多い。

他に役立った情報としては、宿泊施設、観光施設、飲食店と続いている。やはり目的地や滞在施設の情報は、旅行においてもメインの部分となるので、事前に調べておくと役立つ情報を多く得られたという結果だろう。

iKala(アイカラ)Japan株式会社まとめ資料、データ出典:日本政府観光局

 

訪日台湾人の日本での行動

日本政府観光局の2019年の資料によると、訪日台湾人が日本でしたことのトップは96.7%で日本食を食べることである。台湾でも和牛や割烹料理などの日本食は食べることができるが、価格は非常に高い。

また、台湾の日本食いわゆる「日式料理」というのは、台湾人好みの味付けであったり、材料や調味料も台湾産が多いため、多くの「日式料理」は本物の日本食とはどこか異なる。そのため、台湾人は日本で本物の日本食を食べることが、ある意味で一種のステータスになっている。そして、SNS上においても日本食は「映える」素材として人気となっており、多くの旅行者が投稿している。

食べること以外には、ショッピングが89.8%で2位となっている。日本食同様、台湾には多くの日本製のものがあるが、価格は日本の値段の約3〜5倍程度する。だが、日本製は高品質で便利なものが多く、台湾人にとっても生活には欠かせないものとなっている。そのため、訪日旅行者の多くが、ショッピングを目的とした旅程を組んでいる。

訪日台湾人が日本で買ったもののトップは菓子類である。台湾にはない日本限定版のお菓子や、お土産用として買っていくことが多い。医薬品や食料品、衣類なども台湾にも同じ商品は売っているが、やはり、日本の方が安いということ自体が台湾人にとって最も重要な部分になっている。そして、現在のような円安の影響もあり、今後は買い物需要は加速していくと思われる。

iKala(アイカラ)Japan株式会社まとめ資料、データ出典:日本政府観光局
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