注目ポイント
台湾原住民に心を惹かれ、ワーキングホリデーを利用して台湾で暮らし始めた日本人写真家の小林賢伍さんが、台湾の基礎情報と、暮らしの中で感じた台湾文化を紹介。
はじめまして、写真家の小林賢伍です。花蓮で見た台湾原住民の色彩豊かな服飾、透き通った歌声、手を取り合う踊りに心を惹かれて、台湾へのワーキングホリデーを決意。気づけば、2021年迄の約五年を台北で暮らしていました。言葉も知らず縁もない中ではじまった台湾生活には常に驚きと発見、そして、香辛料八角の香りがありました。その中で得たものを、台湾現地の意見も交えながら、日本の皆様に発信していきたいと思います。請多多指教!(よろしくお願いします。)
あなたは「台湾」と聞いたら、何が浮かびますか?
近年、台湾と日本は市民同士でも交流が盛んになり、今や東京を歩けば台湾の文字を見ることも珍しくありません。もしかしたら、読者の皆様にも一度は台湾に訪れたことがある方がいるかもしれません。しかし、日本での台湾のイメージは、タピオカミルクティー、小籠包、魯肉飯(ルーローファン)などをはじめとした、グルメの紹介が殆どです。今回の記事では、台湾の基礎情報をはじめ、わたしが暮らしていた中で感じた文化をご紹介していきたいと思います。

© タピオカミルクティー / 撮影:小林賢伍
アジアの宝島、台湾(英語:TAIWAN)
台湾の国土面積は約3.6万平方km、おおよそ九州程の大きな島に九州の約1,5倍の約2300万人の方々が暮らしています。行政区画の数は22(市9、県13)、首都は台北。言語は中国語、台湾語、客家語の他、16民族いる台湾原住民の各言語が各地で使われています。日常会話で一般的に使用されるのは、中国語です。文字は繁体字(英語:Traditional Chinese)と呼ばれる正字、正体字を使用し、画数が多いのが特徴。台湾語は文字を持たず、家庭内の会話で伝承される言語だったので、一概に皆が話せる訳ではありません。通貨は新台湾ドルで、TWDと表記される他、略称としてNT$/元があります。
台湾の気候は通年温暖で、北が亜熱帯気候、南は熱帯気候に属します。国を代表するマスコットキャラクターは胸に白い月模様をもつことで知られるツキノワグマ。ローカル線などのシートデザイン等にも採用されています。お札で最も高価な紙幣1000台湾元には、台湾固有のミカドキジ(帝雉)が描かれています。台湾の中央に位置する玉山は、*日本時代に「新高山(にいたかやま)」と呼ばれ、富士山よりも高い標高3,952m。台湾では、首都台北からも陽明山などの山脈が見えるなど、国土全体で豊かな自然が溢れていることが伺えます。