2022-10-24 政治・国際

3期目続投決定した習氏の独裁体制が確立 胡錦涛前主席、李首相ら反対派を完全排除

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注目ポイント

5年に1度の中国共産党大会が22日に閉幕し、習近平国家主席の異例となる3期続投が決定。少なくとも今後5年間の習氏による独裁体制を確立した。閉会式では習氏の続投に反対したとされる前国家主席の胡錦涛氏が議場から退場させられ、李克強首相らも最高指導部から排除されるなど、同指導部は全て習氏の側近で固められた。

北京の人民大会堂で先週行われていた中国共産党大会の閉幕式。その途中で前国家主席の胡錦濤氏が突然、背後から両腕を抱えられ、議場から強制的に退席させられた。序列2位だった李克強首相は最高指導部から外され、同指導部を選ぶ前提となる205人の中央委員入りも阻まれ、事実上の引退に追いやられた。

また、序列3位の栗戦書氏、序列4位の汪洋氏、序列7位の韓正氏も同指導部のトップである政治局常務委員(現在7人)から排除された。替わって同委員入りしたのは、序列2位に昇格となった上海市トップの李強氏。李克強首相の後任とみられる。

李強氏は今年春、上海市がロックダウンした際、住民から直接不満を訴えられる動画が出回るなど不手際を指摘されていたが、習主席との関係が深いことから選任されたと推測される。

さらに、北京市トップの蔡奇氏や、習主席の官房長官役を務めてきた丁薛祥氏、広東省トップの李希氏ら、習主席に近い幹部らが最高指導部入りした。李希氏は党幹部らの汚職摘発などを行う司令塔のポストに就任していた。

一方、AFP通信によると、22日の党大会閉幕式では、最前列の習主席の隣に座っていた胡氏が、背後から職員に腕をつかまれそうになると振り払い、その後、脇の下に両手を入れられて立たされた。会場外へ連れ去られる際、胡氏は習氏に向かって何か言い放ち、自らの派閥で今回引退させられる李首相の肩を、いたわるように軽くポンと叩いた。

胡氏の退場劇は、ほとんどの出席者が前方をまっすぐ、じっと前を見つめる中、突然起きた。この衝撃的な出来事に会場内は異様な雰囲気に包まれた。また、その前には、胡氏が習氏の机の上にあった書類を取ろうとして、習氏に手を押さえられて阻止されるような場面もあった。

16日に始まった党大会はほとんど非公開で行われていたが、胡氏の退席劇は報道陣の取材が認められた直後に起きた。そのため、胡氏が退席させられる様子はニュース映像にも収められ、中国国外では「粛清か」などとの憶測を呼び、ツイッターなどSNSで世界中に拡散された。

そんな中、中国国営・新華社通信は22日、英語版の公式ツイッターに「胡氏は体調が悪くなり、健康のためにスタッフが会場の隣の部屋に付き添って休ませた。体調は良くなってきている」と投稿。強制的に連れ出されたとの憶測を打ち消したい政権の意向に沿ったものとみられる。

それを示すように、中国国内では「微博(ウェイボー)で〝胡錦濤〟と検索しても、22日午後の投稿は当局の厳しい検閲を受けているとみられ、最新の検索結果は21日以前のものや、党の投稿しか表示されなかった」とAFP通信は伝えている。

胡氏は習氏の異例となる3期目続投に反対していた立場から、ある種〝見せしめ〟として強制的に退席させられたと専門家はみている。

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の三牧聖子准教授は、「建前としてすら集団指導体制が放棄され、名実ともに習近平国家主席の個人独裁体制が成立していく、その象徴となる出来事として後世に記憶されることになるのだろうか」とコメントした。

 

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