2022-10-23 ライフ

連載「あの街の“正港台湾料理店”」第4回:台湾席茶 蓮月庭(東京都目黒区)

注目ポイント

正港とは「正統な、本場の」などを意味する台湾語。「あの街の“正港台湾料理店”」は、日本で台湾の食文化にこだわる料理人のストーリーと食を追い求める連載です。第4回目は、台湾の高級茶専門店の運営に長年携わってきた洪藝庭(ホンイーティン)さんが、本場の茶藝館を日本でも再現すべく出店した「台湾席茶 蓮月庭」を紹介する。

自由が丘駅から徒歩4分ほどの閑静な住宅地の一角、森の小道を思わせる緑のアーチを抜けると、高原のテラスにトリップしたかのようなスペースが広がり、そこに「台湾席茶 蓮月庭」はある。赤と黒の彩りが印象的な入口ドアを開けると、木をふんだんに使ったインテリアを基調に台湾茶器が整然とディスプレイされ、まさに台湾の高級茶藝店を訪れたような空間が広がっている。

木の温かさと、さりげない台湾テイストが感じられる店内。そして、四季折々の変化も楽しめるテラス席。秋には金木犀の香りとともに。

台湾出身の洪藝庭(ホンイーティン)さんが、ご主人の高橋浩二さんとの結婚を機に来日し、日本でも本場の台湾茶を楽しんでもらおうと開業した「台湾席茶 蓮月庭」では、手作りの高級台湾茶器で淹れた本格的な台湾茶を五感で楽しむことができ、日常を離れた、ゆったりとした豊かなひと時が味わえる。

店主の洪藝庭(ホンイーティン)さんと、経営の面からお店をしっかりと支えるご主人の高橋浩二さん。

蓮月庭で使用される茶葉は、台湾でもわずかしか採取されない厳選された無農薬台湾高山茶だ。台湾国内でも入手が困難な貴重な逸品なのだという。「席茶(シーチャ)」のスタイルで楽しむ台湾茶の一煎目は、洪さんはじめ専任のスタッフが、本格的な作法で丁寧に解説を加えながら点ててくれる。立ち上る湯気とともに豊かな香りが広がり、その何ともまろやかで深みのある味わいは、一瞬にして心身ともにリラックスさせてくれる。

厳選された台湾高山茶の魅力がフルコースで楽しめる。すべての感覚を研ぎ澄まして全身で味わいたい。

二煎目からは思い思いのスタイルで台湾茶の味や香りの変化をゆっくりと楽しむ。「台湾のお茶は世界一」と語る洪さんの言葉通り、三煎、四煎と何度お湯を注ぎ足しても台湾茶本来の風味が失われることなく、その度にまた新たな発見が生まれるのだ。これこそが台湾茶にしかない魅力の一つであり、洪さんが最高品質の無農薬茶葉にこだわる理由なのだと実感する。また、台湾産無農薬ドライマンゴーをつけ合わせると、その相性は抜群で、低温乾燥させただけの芳醇な味覚と台湾茶との絶妙なコラボレーションが楽しめる。

様々なスパイスを絶妙に組み合わせて作る本格台湾レシピの食事メニューと数々のスイーツは、すべて洪さんの手作り。台湾のどの店よりも美味しいと専門家を唸らせる花生豆花は、トッピングを施さないプレーンで楽しむ。

蓮月庭がオープンしたのは2019年11月。まさにこれから…というタイミングでコロナ禍に直面した。そんな中、先行きへの不安も抱えながら、茶藝館としての魅力に磨きをかけ、日々進化を目指してきたという。お店で提供するメニューも試行錯誤しながら吟味し、台湾出身のお客様も大満足の各種料理やスイーツは、すべて洪さんの手作りだ。台湾仕込みの本格レシピを求めて訪れるお客様も着実に増え、今やお店の看板メニューにもなっている。ルーロー飯やルーローバン麺といった食事メニューは、ヴィーガンの多い台湾のお客様にも対応できるように、肉類を一切使わず大豆などで肉の味覚と食感を再現したヘルシーで本格的なヴィーガン料理が基本コンセプトだ。

新たにラインナップに加わったアルコールメニュー。ここにも台湾のエッセンスがたっぷり。

さらに現在では、金曜から日曜の週末と祝日限定で、お肉を使ったルーロー飯などの料理もメニューに加え、台湾ウィスキーのKAVALANや台湾スパイスハイボールなど各種アルコールも楽しめる。また、お店の休業日に開催する洪さんの料理教室も大盛況で、募集すれば必ず満席になるのだとか。洪さんが醸し出す何とも優しい雰囲気と相まって、笑顔いっぱいの素敵な時間が楽しめることだろう。

仕込みから店の切り盛り、そして料理教室までこなす洪さん。台湾茶で大切な人をもてなすように、お店のすべてにそんな心配りが活きている。

コロナ禍の中、“より多くのお客様の期待に応えたい“ “何度足を運んでいただいても常に新たな発見を楽しんでほしい”と工夫を加えていった進化の数々。都会のオアシスのような空間に一歩足を踏み入れると、そこでしか味わうことのできない本格的な台湾茶を主役に、脇を固める素晴らしいキャストとともに繰り広げられる蓮月庭劇場。一度訪れたらまた何度でも来たくなる。そんな豊かな時間を求めて蓮月庭ファンはこれからも増え続けていくことだろう。


店舗概要

名称:台湾席茶 蓮月庭

住所:東京都目黒区自由が丘2丁目15-10 A&Dハウス 102

営業時間:平日12:00 ~ 18:00

土・日・祝 12:00 〜 21:30(状況により早めにCLOSEする場合あり)

定休日:不定休

席数:店内18席(カウンター4席)テラス6席

電話番号:03-5701-0033

ホームページ:https://rengetsutei.jp/

 

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