2022-10-27 ライフ

月イチ連載「台湾で楽しむ、季節食材のおつまみレシピ」第一回 : さんまの台湾風ピリ辛煮込み 

注目ポイント

台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾で見つけたさまざまな食材を用いて、季節や年中行事に合わせたおつまみのレシピを紹介する月イチ連載。おいしいつくり方に加えて、ちょっとしたアレンジ方法や料理と相性抜群のお酒も紹介していきます。初回は、旬のさんまを使った食欲をそそる「台湾風ピリ辛煮込み」です。

こんにちは! 「季節の『おいしい』を探す台湾市場めぐり」とともに、本連載「台湾で楽しむ、季節食材のおつまみレシピ」を担当することになりました、遊佐水亜です。ライターのお仕事をするかたわら、唎酒師、ワインエキスパート、薬膳マイスターの資格を生かして料理やお酒にかかわる活動も行なっています。

本連載では、台湾で見つけた旬の食材、年中行事に欠かせないスペシャル食材などを毎回ひとつピックアップ。気軽につくってお酒と共に楽しめる、季節にぴったりのおつまみ料理をご紹介していきたいと思います。

旬のさんまやごぼうを使った「さんまの台湾風ピリ辛煮込み」

今月のおいしい季節食材「さんま」

秋を代表する食材といえば、やっぱりさんま! 塩焼き、かば焼き、梅煮に炊き込みごはん……旬のうちにいろいろな調理法で味わっておきたいものですね。

台湾でも漢字は同じで「秋刀魚」ですが、日本料理店以外では塩焼きでいただくことはあまりなく、お醤油や砂糖、香辛料などを使って甘辛く味つけたものが定番です。

血液をサラサラにしたり脳の働きを高めたりしてくれる効果がある青魚。さんまにはカルシウムや鉄分も豊富に含まれており、骨や筋肉を強くして貧血を予防してくれるうれしい働きがあるともいわれています。

台湾では冷凍品も多く出回っていて、一年中食べられています

今月のおつまみ「さんまの台湾風ピリ辛煮込み」

脂の乗ったおいしいさんまを内臓ごとぶつ切りにして、香味野菜を加えたたれでじっくり煮込んだ「さんまの台湾風ピリ辛煮込み」。濃いめの醤油味にピリッと辛さのアクセントを添えた、食欲をそそる一品です。

新鮮なさんまは内臓(はらわた)もおいしいので、今回は丸ごと煮ています。苦手な方は取り除いてもらってOKです。さんまは弱火でコトコト煮込むことで、圧力鍋を使わなくてもふっくらと柔らかく仕上がります。

 

材料とつくり方

【材料(つくりやすい分量)】

さんま 2尾

ごぼう 10cm程度

にんにく 1かけ

しょうが 1かけ

生唐辛子(なければ乾燥でも) 1〜2本

ねぎの青い部分 適量

塩 適量

◎醤油 大さじ2

◎みりん大さじ2

◎砂糖 大さじ1

◎紹興酒 100ml

◎水 100ml

ごま油 適量

粉山椒 適量

脂の乗ったさんまに香味野菜を合わせることでさっぱりいただけます

【つくり方】

  1. さんまは洗って水気を取り、頭と尾を切り落とす。身を3等分に切り分け、両面に塩を振って10分ほど置く。出てきた水分をキッチンペーパーで押さえて吸い取る。
  2. ごぼうは食べやすい長さに切って、太い部分は繊維に沿って4つ割りにする。にんにくは皮を取って潰し、しょうがは皮ごと輪切りに、生唐辛子は斜め半分にカットする。ねぎの青い部分は適当な長さに切る。
  3. ◎のついている調味料を鍋に入れて混ぜ、にんにく、しょうが、生唐辛子、ねぎの青い部分を加えて中火で煮る。沸騰したら火を弱めてさんまとごぼうを並べ、落し蓋をして弱火で30分〜1時間コトコト煮る。途中で水が足りなくなったら少量ずつ足して、焦げないように気をつける。
  4. 落し蓋を取って、香りづけにごま油を回しかける。軽く混ぜ合わせたらできあがり。器に盛りつけて、粉山椒を振りかける。
ふっくらと仕上げるために、30分〜1時間、焦がさないように弱火で煮込むことがポイント

おつまみに合うお酒&ひとことメモ

定番のビールやさっぱりとしたハイボールも合いますが、おすすめは米焼酎のロック! 日本酒にも共通する上品な香りとお米由来の甘みに加えて、香味野菜のパンチに負けない存在感も魅力です。少しずつ氷を溶かしながら、まろやかな飲み口とお料理のハーモニーを楽しんで。

できたてのアツアツはもちろん、少し置いて味をなじませてからもまた美味。お酒のアテだけでなくごはんのお供にもぴったりなので、少し多めにつくって翌日の楽しみにするのもよいかもしれませんね。


 

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