2022-10-14 経済

ファーウェイが通信機器と自動車の2大分野に特化し制裁対象中国企業と「脱半導体米国化大連合」結成

© Reuters / 達志影像

注目ポイント

中国のテック産業を代表する企業・ファーウェイ(HUAWEI)が、米国からの半導体入手を阻む制裁措置から逃れるため、同じく制裁を受けている他社と手を組み「脱半導体米国化大連合」を結成した。将来的には通信機器と自動車の2大分野に特化した事業展開を目指す予定だ。

米国の制裁を2年間受けてきたファーウェイが高性能チップを入手できず、解決策を模索し続けてきた。先日の日経アジアの報道によると、ファーウェイは米国から制裁を受けている中国の他の半導体企業と手を組み、脱チップ米国化の目標を達成するために通信機器や自動車分野に特化した中国本土でのサプライチェーンを構築しようとしている。


米国の制裁により減少するファーウェイの収益

2019年に前アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏(Donald Trump)は、中国5Gテクノロジーの大手ファーウェイに対し貿易戦を仕掛けた。その内容は、世界各国にファーウェイの通信製品を使用しないよう警告を発し続けたのだ。ファーウェイが発表した2021年の財務報告書によると、売上高は6368億人民元で、前年比28.6%の大幅減となった。当時のファーウェイ輪番会長の郭平氏は、2021年を乗り切ったとはいえ、ファーウェイは引き続き「生き残る」ために戦わなければならないと述べている。

関係者から日経アジアへの情報提供によると、ファーウェイは米国の制裁から逃れて生き残るために、同じく制裁を受けている多くの企業と連合を結成する意向であることが分かった。中国半導体メーカー最大手の中芯国際(SMIC)や、半導体製造会社の福建晉華(JHIC)などが連合の候補に挙げられている。ファーウェイの傘下にある半導体設計会社のハイシリコン社(Hisilicon)が稼働を再開できるよう、製造ラインの脱米国化を目指している。

現在、米国は「先端半導体技術」の中国への輸出を制限し、感度が低く技術が遅れているチップのみにしており、中国の携帯電話の生産に深刻な影響を及ぼしている。関係者によると、ファーウェイは中芯国際との協力に加え、公的背景を持つ複数の小規模ファウンドリにもアプローチしている。これによりファーウェイはチップ工場を一から作る必要がない上に、中国政府の資源も活用でき、一石二鳥となる。

半導体チップの生産能力を上げるには装置が不可欠で、中国の半導体装置メーカーはスタートは遅いが国家資金の支援を受け、かなりのスピードで成長している。これは将来的にファーウェイが彼らと手を組む可能性があることも意味している。


中国半導体連合、脱米国化のサプライチェーンを構築

中国の市場調査機関である三個皮匠(SGPJBG)の今年(2022年)8月の統計によると、装置関連会社では、北方華創、中微公司、芯源微、至純科技、萬業企業が含まれる。この他に盛美上海、屹唐股份、華海清科、拓荊科技などが新規株式公開(IPO)を実施中である。

その中でも北方華創(NAURA)の半導体製造関連製品のエッチング装置、PVD装置、CVD装置、ALD装置、酸化/拡散装置、熱処理装置、洗浄装置などが代表的である。現在、同社の半導体チップ技術は28nmにて成熟したプロセスを持っており、14nmは検証段階、先端プロセスである7nmは開発段階である。

次に、半導体装置の重要設備であるイオンエッチングを供給している中微公司は、初期にCCPプラズマエッチング装置を開発し、近年はICPエッチング装置を開発している。中微公司は国際トップクラスの顧客に装置を提供しており、65nmから14nm、7nmまでの製造プロセスに力を入れている。

関係者は日経アジアに対し、ファーウェイの脱米国化生産ラインは高度の技術を追求せずに、成熟した製造プロセスに重きを置いている。すなわち、ファーウェイが重視しているのは精密な携帯電話用チップの技術ではなく、通信機器と自動車の2大分野であることが分かると強調した。報道によると現在、ファーウェイは携帯電話業界において縮小傾向にあるが、通信事業は競争力を維持している。

市場調査機関トレンドフォース(TrendForce)の8月の発表によると、5G通信用設備市場におけるシェアのトップは依然として29%のファーウェイで、次いでスウェーデンのエリクソンが24%となっている。

フィンランドのノキア(Nokia)が21.5%、韓国のサムスン(Samsung)が12%、中国の中興通信(ZTE)が2.5%で後に続く。中国政府の強い支援のもと、現地の半導体技術が通信機器用チップの需要をほぼ満たし、今後も徐々に拡大していくと見られている。

 


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