2022-10-13 観光

台北・草埔市場を開店前の早朝訪れて屋台ルールについて観察してみたら…

© 林特

注目ポイント

普段はごちゃごちゃしている伝統的な市場も、「ジェンガ」の段階ではとてもシンプルで整然としていた。普段は目立たないプラスチックのカゴやステンレスの容器が大量に並べられ、メモリーカードの容量を占めてしまう程にとても撮影しがいがある。

夏至が過ぎた台北の気温は朝7時までは安全範囲だ。私はショッピングバッグを持って、子供とカメラを背負って、「早く出かけよう、空がだんだん明るくなっていく~♪」と歌いながら、民生区の草埔市場に歩いて行く。時間は6時を過ぎたばかりで、ここの屋台はほとんど8時にならないと開店しないので、富錦街を渡った後、まだ空っぽで準備中の伝統的な市場が見渡せる。散歩がてら、出店者の「出店の様子」を観察してみた。

屋台といえば、十数年前にロンドンに住んでいた日々がまた思い浮かぶ。しばらくの間、私は台湾から持ってきた服をブリックレーンの屋台で売った。その時代のブリックレーンでは勝手に屋台を並べて、警察に追い払われるリスクを伴いながらも、出店代を払う必要がなかったのだ。私の屋台は広くはなく、ただ床に布を敷いてその上に服を並べるだけだ。言うのは簡単だが、お客さまをお迎えする度に、膝を折って十数回たたまなければならず、一日を通すと大変な作業となるのだ。

その後は、学んで小さなイスを持参し座れるようにし、服をぶら下げ、値段つけて、どんどん屋台を進化させていった。オーナーの私もビールを1杯持って、椅子に座り飲みながら売ることができた。その他、毎週末の屋台はアリのように、自分より重い屋台を搬入・搬出し、とても疲れた。

 

市場の出店者の話に戻ると、まだ食材が陳列されていないため、「構図」が非常に気になるところ。ある屋台は数枚の折り畳みテーブルを組み合わせて、カゴの上に野菜や果物を並べたり、生鮮食品の屋台はクリアボックスやプラスチックボックス、ステンレスプレートやクワズ芋の葉を置く。プラスチック製のカゴを「塔」のように積み上げた屋台もある。また、ある小さな屋台では屋台用かどうか分からないが、ちゃぶ台のような大きさと高さの木箱が置いてあり、下にはスタンドがつけられ、木箱に入ったプラスチックのカゴが数個、ちょうどいい大きさで、新鮮な野菜や果物が乗っていて、見ているだけで気持ちがいい。

数が多ければ美しく見える、普段はめちゃくちゃな伝統市場で、この「畳畳楽」の時間は非常に簡潔で整然としていて、目立たないプラスチックのカゴやステンレスの容器が、大量に配置され、撮影の手が止まらずメモリーカードの容量を浸食していく。

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畳畳楽の時間

© Photo Credit:林特

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例えばテーブルボード、ちょうどいいサイズの木箱や、プラスチックのカゴが収まるようにスタンドの土台を作ったら、後は食べ物を並べれば出来上がり。フルーツ屋台に特別な仕掛けはなく、きれいに設置するだけ。野菜の屋台の場合、土台を丸く作ったり、高低差をつけて配置したり、下は根菜、上は葉物野菜と分けたり、客にとって一目で分かりやすくということ以外にも、植物の成長順や土地からの距離で並べるのも理にかなっているように思う。

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