2022-10-16 観光

知っておけば心配なし! 台湾の仲卸市場で花を購入するポイント

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注目ポイント

前回の記事「台湾の花文化を堪能できる 台北市内の2大花市場 」で紹介した台湾最大の花市場・台北花市は、一般の人でも仲卸業者から気軽に花を購入できる。滞在先のホテルに彩りを添えたり、旅先で出会った人への贈り物としても最適だが、異国の市場で“良い花”を見つけるのはなかなかハードルが高いもの。台湾の花市場の仲卸業者の特徴や、良い花を見極めるコツを押さえておこう。

一方で、台湾の場合はほとんどが包装紙またはセロハンで包まれて売られているだけである。そのため、その花材がいつのものなのか、また産地はどこなのかといった情報が一切分からない。花屋の一つの技術として花の見極め方があるが、それができない花屋は、台湾で品質の良い花を買うのは至難の業である。もちろん、一般人も同様である。

良い花を見極めるには、花そのものを見極める技術も必要だが、他にもいくつか見極める方法があるのでご紹介する。まずは、仲卸との信頼関係を高めることである。私も最初は古い花を買わされそうになったり、接客すらしてもらえないこともあった。当時は私も中国語が話せず、仲卸からしたら訳のわからない日本人がいきなり来て、朝の忙しい時にGoogle翻訳を見せながら質問してくるのだから、とても迷惑だっただろうと私も反省している。

だが、何回も顔を合わせていくうちに、徐々に仲卸との信頼関係が築けていることを感じた。私は独学で中国語を勉強し、毎日カタコトの中国語で一生懸命仲卸と会話した。花のことについて話したり、日常生活や日本文化について話したりした。その様子を見て応援してくれたり、挨拶してくれる仲卸の方々が徐々に増えてきた。これは人にもよるが、基本的に台湾人は日本が好きな方が多く、また外国人に非常に親しみを持ってくれる国民性である。仲良くなると、その花材がいつの入荷のものか、今日のおすすめの商品、買わないほうがいい花材など、色々と教えてくれるのだ。今では台湾の花事情を細かく教えてくれたり、花屋経営で困った時などもアドバイスしてもらっている。人情深い台湾人の人柄は、昭和の日本を思い出させる。

他には、花の値段で見極める方法もある。例えば、バラは基本20本1束で売っているのだが、1束の値段が100元から600元と、店によってかなりばらつきがある。一般人は安いほうがお得だと感じ100元の店で買う方をよく目にする。だが、花の値段というのは、花の品質に直結する。私も以前、複数の仲卸で同じ品種のバラを購入し実験したことがある。結果は安いバラは2〜3日で枯れ、高いバラは2週間もった。安いバラは花が小さく、茎が細い。高いバラは花が大きく、茎が太い。花の大きさはひと目で分かると思うが、バラの場合は茎の太さも水の吸い上げ力になるので、とても重要である。つまり、高いものは高いだけあって品質が良いものであり、やはり安いものはそれなりの価値ということなる。自宅用に少しだけ使いたいだけの場合などは安いものを選び、プレゼントや何か作品を作りたい時などは高いものを選ぶなど、買う側が臨機応変に予算や用途にあった花材を選ぶことが重要である。

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