注目ポイント
前回の記事「台湾の花文化を堪能できる 台北市内の2大花市場 」で紹介した台湾最大の花市場・台北花市は、一般の人でも仲卸業者から気軽に花を購入できる。滞在先のホテルに彩りを添えたり、旅先で出会った人への贈り物としても最適だが、異国の市場で“良い花”を見つけるのはなかなかハードルが高いもの。台湾の花市場の仲卸業者の特徴や、良い花を見極めるコツを押さえておこう。
仲卸市場では一般人でも気軽に花を買うことができる。ただ、花の見極めや買い方を知らないと、今にも枯れそうな花を買わされてしまうことがある。花屋が仲卸から買うときは信頼関係が成り立っているため、このようなことは少ないが、仲卸もビジネスである以上少しでも鮮度の落ちたものは早く売りたいという傾向がある。今回はそんな台湾の仲卸事情についてご紹介していく。
仲卸の営業時間と店舗
今回は台湾で最大の市場である台北花市を例に挙げる。基本的に他の市場でも同様なので、参考にしてほしい。
まず、営業時間であるが、仲卸は早朝のセリが終わった後の朝6時くらいから店舗に花を並べ出す。実際のところ5時ごろから開いているのだが、前日や先週の在庫を陳列している時間であるため、当日市場に到着した鮮度のいい花を買うのであれば、6時以降をお勧めする。閉館時間は昼の12時前後。早い店や売れない時期の場合は11時で閉めてしまうこともある。12時には市場自体の入り口も一部施錠されてしまうため、遅くとも11時ごろには来場するといいだろう。
A館では切花と資材、B館は胡蝶蘭と鉢物が販売されている。それぞれ入り口が違うので注意が必要だ。
仲卸の特色
市場内には多数の仲卸店舗があり、通路は迷路のようになっている。そのため、初めて来場した場合は、どこで買えばいいのか分からないかと思う。切花に関しては、店舗ごとに品揃えが異なる。台湾産のみ売っている店、輸入の花材や珍しい花を揃えている店、葉物だけの店など、本当に店舗によって取り扱っているものは様々である。
日本の仲卸はそのほとんどが市場から購入した花材であるが、台湾の場合は少し異なる。台湾の仲卸業者の中には、貿易会社としての登記もしており自社で海外(特に日本)から直接花材を輸入している業者も少なくない。また、自分で山や農園を持っているようなオーナーの店は、他の店では売っていない枝物や花材を取り扱っている。生産者から直接仕入れている店も多い。そのため、各店舗がそれぞれ差別化を図りつつ、オリジナルのカラーを出して店構えに力を入れている。

良い花の見極め方
日本の場合は、市場で購入時に「品種」「入荷日」「産地」「生産者名」など、細かい情報が花材にバーコードと共に貼られているケースが多い。そのため、仲卸で購入するときも、安心して購入できる生産者を見つけたり、古い花を買わされずにすむ。こういった購入者目線での細かい配慮は日本ならではの文化ではないだろうか。