2022-10-14 ライフ

月イチ連載「私と台湾の幸せな距離感」第3回:FUJI ROCK FESTIVALと台湾アーティスト

© Chiaki Machida

注目ポイント

今年7月末に3年ぶりに開催された日本最大級の野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL ’22」。台湾からはElephant GymとFire EX.が出演し、会場はもちろん、ライブ配信で参戦した世界中のファンをも惹きつけました。2つのバンドのフジロックにかける想い、そして当日のステージの模様を、台湾の音楽シーンを追っているラジオDJ&コーディネーターの竹内将子さんが振り返ります。

「FUJI ROCK FESTIVAL」(フジロック)は、毎年7月末に新潟県湯沢町の苗場スキー場で開催され、日本だけでなく世界中のアーティストやバンドが多く出演する日本の夏の大型ロックフェスティバル!

今夏のフジロック2022を苗場の現地で見た人、YouTube配信で見た人もいるかもしれない。

2020年、コロナ禍になり海外アーティストの来日が叶わなくなってから、約3年ぶり!

台湾からの来日アーティストは、このフジロックに出演のためだけの2組。

偶然にも共に、台湾・高雄出身のElephant GymとFire EX.。

 

Elephant Gym!

2012年結成の3ピースバンド。メンバーは、ギター&ピアノのTell Chang、ベース&ボーカル&ピアノのKT Chang、ドラムのChia-Chin Tu(TellとKTは兄妹)。

もともと2020年のフジロック出演の予定がコロナの影響で延期になっていたが、今年2022年にようやく出演が実現した。

来日の少し前、担当するPodcast番組でインタビューをする機会があり、Elephant Gymにフジロックのことについて聞いてみた。すると

「ほんとに行きたい〜! もしも行けなかったら……」

とKTが泣きそうな声で答えてくれた。延期になったこの期間、メンバーは引越しをしたり、新しいアルバム制作をしたりしていたそう。KTはピアノの先生のお母様からピアノを連日習っていたと話してくれた。

この待つ時間というのは、想像するに彼らにとって本当に長い時間だったのではないか。「なんとしても無事に来日してほしい!」とインタビューの後、そっと心の中で祈った。

 

そして約2年半の時を経て無事に来日。

7月31日、フジロック、超満員のRed Marquee 。「Midway」からスタート! MCでは、いきなりKTが昨日Green Stageで携帯をなくしたと告白(その後が気になる!)。Tellもカンペを読みながら日本語で話した。

写真:Chiaki Machida 

Elephant Gymの魅力、それは演奏のクールな格好よさとは真逆の、トークでの、一瞬でお茶目になってしまうところなのかもしれない。

トークと同じ人とは思えない(失礼!)KTの美しすぎるベース演奏、ワクワクするTellのギター、Tuのドラムは感動的に凄かったし、ため息が出るほど心に響く3人の演奏だった。彼らのフジロックでのパフォーマンスは、間違いなくフジロックを見ていた多くの音楽ファンを惹きつけたと思う。演奏後はTwitterのトレンドに入っていて、嬉しくてひとり小さくガッツポーズをしてしまった(笑)。個人的には、高雄市管樂團とのコラボレーション「Wings」が楽しくて素晴らしかった。

Elephant Gym「Wings」(フジロックのYouTubeチャンネルより)

クラシックな印象の管楽団の4人の演奏姿が、とてもノリノリですごく可愛かったのだ。こんなコラボが見られるのもフジロックの魅力なのかもしれない。

写真:Chiaki Machida 

そして、彼らの「Spring Rain」の演奏が始まるのと同じ頃、それまで晴れていた苗場の空から急に急に雨が降りはじめた。天気さえもフジロックの演出のひとつなのか……と感動したのを覚えている。Elephant Gym、今年11月には東名阪ライブが予定されている。

日本での再会を今から楽しみにしているところ。

 

そして、滅火器 FireEX.!

2000年に結成。メンバーは、ボーカルのSam、ギターのORio、ベースのJCは、高校時代の同じクラスの同級生3人とドラムのKGが加わった4人組。

「この島の夜明け」「長途夜車」など多くの楽曲が支持され台湾を代表するパンクロックバンド。日本のバンドやアーティストとも様々な交流があり、これまでに多くのコラボレーションを行ってきている。

7月30日、フジロックのWhite Stageのトップバッターとして4人はステージに立っていた。

写真:Masanori Naruse

「Hello, フジロック! 私たちは台湾から来たFireEX.です」が最初のMCだったと記憶している。次々に彼らの代表曲を披露し、日本語で「皆さんお久しぶりです。お元気ですか?」とステージから観客に、そして配信で見ている人にも呼びかけてくれた。

このフジロック登壇の2日前、渋谷のスタジオでラジオのインタビューを受けてくれた。

「フジロックに向けてどんな準備をして来たのか?」を尋ねたところ、ボーカルのSamは「準備万端! 特に合羽、防水のものは完ぺき(笑)。でも一番はステージで演奏する曲は何度も練習を重ねたので本当に完璧です!」と。

またフジロックについては、JCは、バンドマンとして憧れのフェス、伝統的なフェス、『BECK』の漫画の内容に触れ、「ここにフジロックとは書かれていないけれど、いつかバンドとして成功したら出られると、そんな夢が叶った」と話し、Samは、「特別な存在。世界から見ても特別。環境も天国の様なものでとても光栄、一生の思い出に残るステージになる」と力強く答えてくれた。

写真:Masanori Naruse

スペシャルゲストとして登場したOAUのTOSHI-LOWと共に「晚安台灣」の日本語ver.「おやすみ台湾」を披露。

Fire EX.「おやすみ台湾」(フジロックのYouTubeチャンネルより)

泣くと歌うのが大変と聞いたことがあるけれど、配信で見ていると、ボーカルSamの顔がアップになったとき、何度も涙を堪え、今にも泣きそうな表情の時が何度もあってこみ上げるものがあった。現地のお客さんの中にはライブを見ながら色んな感情が湧きあがったのか泣いている人もいたそう。

「無名英雄」からスタートし、「残像モーション」や「この島の夜明け」など日本語での歌を披露し、ラストの「希望の明日」までの全12曲。フジロックを熱く駆け抜けた。

1日も早く日本でまた彼らのライブを早く見てみたい!

写真:Masanori Naruse

今年のフジロックの配信を見ていて、ふと思うことがあった。

ラジオ番組にゲストに来てくれる沢山の台湾アーティストにインタビューをする中で、「いつかフジロックに出たい!」と熱い想いを話してくれる台湾アーティストが多いことに。

日本が世界に向けて発信している大型ロックフェス「FUJI ROCK FESTIVAL」。

台湾アーティストを強力に惹きつける魅力をもっと知りたくなった。

2022年、未だ記憶に残るフジロックでの演奏とトーク、2年半の年月を越えてこうしてLIVEで出逢えたことが本当に嬉しかった。多謝!
 

 

あわせて読みたい