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2022-10-11 観光

日台の始球式あれこれ―始球式の球、打ち返していいの?―

© Photo Credit: Reuters /達志影像

注目ポイント

日本の始球式はどちらかと言うと儀式的なものが多いのに対して、台湾の始球式は見る人を楽しませることに重きを置いています。今回は日本と台湾の始球式の違いや、印象に残った始球式について紹介します。

米国大リーグ選抜vs早稲田大学野球部の試合で日本初の始球式が行われました。時は1908年11月、始球式を務めたのは早稲田大学の創設者、総長、政治家であるあの大隈重信!大隈の球は外角に大きくそれてしまいましたが、早大トップバッターの山脇正治は、大先生に恥をかかせてはいけないと思いわざと空振りをしました。ナイス忖度ですね。その後日本では投手役にリスペクトの気持ちを表すため空振りをすることが慣例となりました。

日本と台湾の始球式はどこが違う?

このような形で始球式が始まったわけですから、日本では後攻のチームは捕手も含め内外野がちゃんと守備につき、先攻のチームはトップバッターが打席に入ります。そして投手役の投げた球を空振りするのです。投手役だけではなく、捕手役や打者役を務めることもあります。2球以上投げるケースや打ち返すケース、ゲスト同士が真剣勝負するケースなど、始球式の形は自由です。2013年5月5日に行われた始球式では、投手役松井秀喜、捕手役原辰徳、打者役長嶋茂雄、審判役安倍晋三が務め、夢の始球式と言われました。最近の始球式はエンターテインメント性が重視され、アイドルや貞子(貞子は日台両方に出没)、元プロレスラーなどが呼ばれることも増えてきました。ハンマー投げ五輪金メダリスト室伏広治(現スポーツ庁長官)、ゴールデンボンバー樽美酒研二、お笑い芸人高岸宏行、俳優間宮祥太朗など、非プロ野球選手が始球式で球速を競うことも流行っています。

台湾の始球式はアメリカ方式で、原則として打者はバッターボックスに立たなく、また後攻チームも守備につきません。球団スタッフがMCを務め、投手役の人にインタビューをしたり、投手役の人がスピーチやパフォーマンスをしたりしたあと、正捕手ではない選手かコーチの捕手役に向かって投げます。チームのマスコットキャラクターが審判をすることも多々あります。2021年3月、味全ドラゴンズのプロリーグ復帰を記念して天母球場で柯文哲台北市長を始め156人の投手役(捕手役を含めると312人)が一斉に始球式を行うという前代未聞のセレモニーが行われました。これは2011年に111人の投手が投げた日本の始球式を抜いてギネス世界記録に認定されました。


台湾野球の面白始球式

台湾プロ野球の始球式は日本に比べて最初からエンターテインメント性が強いものでした。もちろんスポンサーや地方自治体の上層部、社長や会長による始球式もありますが、ほとんどは俳優・女優、アイドル、歌手、野球以外のスポーツ選手、話題の人などで、日本から招待されて始球式を行った人もいます。2013年小泉進次郎、乙武洋匡、2018年乃木坂46の齋藤飛鳥、2020年EXILEのAKIRA(リン・チーリンの夫)のほか、稲村亜美、ニッチロー、福原愛などが台湾で始球式をしました。

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