2022-10-10 政治・国際

蔡総統「武力による解決は決して両岸の選択肢でない」=双十国慶節で演説/台湾

注目ポイント

中華民国の建国記念日「双十国慶節」を迎えた10日、蔡英文(さいえいぶん)総統は総統府前で開かれた祝賀式典で演説し、北京当局に対し「武力による問題解決は両岸(台湾と中国)の選択肢ではない。台湾の人々の主権と民主主義、自由を固く守る意思を尊重することのみが、両岸の前向きな交流を再開させる根本となる」と呼び掛けた。

式典で演説する蔡英文総統

(台北中央社)中華民国の建国記念日「双十国慶節」を迎えた10日、蔡英文(さいえいぶん)総統は総統府前で開かれた祝賀式典で演説し、北京当局に対し「武力による問題解決は両岸(台湾と中国)の選択肢ではない。台湾の人々の主権と民主主義、自由を固く守る意思を尊重することのみが、両岸の前向きな交流を再開させる根本となる」と呼び掛けた。その上で「理性的で平等、相互に尊重することを前提に、われわれは北京当局と共に双方が許容可能な台湾海峡の平和と安定を維持する方法を探る用意がある」と述べた。

蔡総統の演説は「世界により良い台湾を―堅靭(けんじん)な島、強靭(きょうじん)な国家」と題して行われた。強靭な国づくりが国家の発展における現段階での最も重要な目標だと強調し、「4大強靭性」の構築を打ち出した。強靭性の強化を目指すのは、経済、産業▽社会的セーフティーネット▽自由、民主主義体制▽国防戦力―の4つ。

また、新型コロナウイルス下での台湾の経済成長を紹介し、「コロナはわれわれを打ち倒せず、逆に世界に台湾の強靭性を見せつけた」とアピール。「台湾の経済がより発展すれば世界のサプライチェーンはより完全で堅靭になり、台湾の安全がより強固になれば、地域と世界はより平和になり、より繁栄することができる。台湾の民主主義がより深化すれば、世界の自由、民主主義陣営はさらに揺るがなくなる」と述べ、「台湾を世界の台湾にし、より良い台湾を世界に届けよう」と国民を鼓舞した。

(葉素萍、游凱翔/編集:名切千絵)

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