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台湾新北市政府は6日、土砂災害の防止に向けた協力に関する覚書を国立成功大学と結んだ。同大の防災研究センターは日本の大学などと技術、学術面で協力関係を築いており、同大の日本側とのネットワークを生かし、専門人材の育成などで連携していく方針だ。

(新北中央社)新北市政府は6日、土砂災害の防止に向けた協力に関する覚書を国立成功大学(南部・台南市)と結んだ。同大の防災研究センターは日本の大学などと技術、学術面で協力関係を築いており、同大の日本側とのネットワークを生かし、専門人材の育成などで連携していく方針だ。
新北市は多くの山地や丘陵が台北盆地を囲み、淡水河やその支流が市内を広く流れている。式典に出席した侯友宜(こうゆうぎ)市長は市内で土石流の恐れがある渓流は235本あると指摘。企業や大学、日本と協力し防災に努める姿勢を見せた。
農業局山地保全科の呉俊徳科長によれば、成功大の防災研究センターは新北市の土石流の調査や分析に協力してきた。同センターは筑波大や京都大とも防災の分野で連携しており、新北市は今後、このネットワークに加わり、土砂災害防止の専門家を共に育成していくという。
式典には新北市と防災に関する協定を結んでいる静岡県の宮崎悌三・台湾事務所所長も出席した。静岡県と新北市の地形が似ており、土石流の恐れがある場所も多いことに触れ、今後の協力深化に期待を示した。
式典ではシンポジウムも開催。静岡大の教授がオンラインで参加し、昨年起きた熱海市伊豆山の土石流災害について報告を行った。
(黄旭昇/編集:楊千慧)