2022-10-07 経済

ホンハイが電気自動車部門を再び拡大へ米国の電動大型農機具会社とOEM契約締結

© 鴻海新聞稿

注目ポイント

ホンハイはこの度、電動大型農機具の分野にも手を広げ、新世代メーカーのモナークトラクター社とOEM契約を締結する予定だ。ホンハイの劉洋偉会長は、「モナークトラクターとの協力は、電気自動車生産に注力する当社の方向性とマッチしており、ビジネスパートナーシップとしてのさまざまな可能性も持っている」と述べている。

ホンハイが電気自動車を開発しているのはもはや周知の事実だが、今度は「農機具分野」にも手を伸ばしてきた。今月に入ってホンハイは、プレスリリースで農機具メーカーのモナークトラクター社とファウンドリ契約を締結。次世代農業製品やバッテリーモジュールを米国オハイオ州の拠点で、モナークトラクター社と共同開発する予定だと発表した。

またホンハイは、車載用半導体の世界的リーダーであるNXPセミコンダクターズと基本合意書(MOU)を交わし、両社は次世代スマートIoTプラットフォームの開発を共同で行い、電気電子アーキテクチャー(EEA)、電子電装ラックや車載セキュリティもカバーする予定だ。

上流の原材料から下流のモジュールに至るまでホンハイは、かなりの資源を投入し電気自動車において完全にグローバルな存在感を示している。車両設計、コンポーネント、モジュール、ソフトウェア、EEAで構成される包括的なソリューションとなる。新世代の電気自動車は、iPhoneのモデルをベースにしているとも言える。

今回は、その範囲を大型の農業用インプルメントにまで広げ、新世代の電動インプルメントであるモナークトラクターとOEM契約を結ぶことになった。

ホンハイの劉会長は、「モナークトラクターとの協力は、さまざまな可能性も持っている。ホンハイの製造の強みを生かしつつ、業界の提携ネットワークをリードすることにも繋がる。新たなパートナーシップは、モナークトラクター社の製品の成功にも貢献することでしょう」と述べている。

モナークトラクターの共同設立者であるマーク・シュワガー氏は、電気自動車で有名なテスラの設計・製造者の一人である。カリフォルニアに本社を置き、農業の発展を促進し、次世代の農家にクリーンで効率的な農業案を提供するとともに、「電気AI化」による産業の高度化に取り組んでいる。

重機における電気自動車技術の出現は、近年の省エネ・低炭素化において重要なブレークスルーとなっている。「ブルームバーグ」によると、現在、世界の重機市場は2920億米ドルに達しており、トラクターからの排出ガスが気候変動の原因になっているという。

米国環境保護庁(PEA)によると、アメリカだけでもトラクターは毎年53億ガロンの燃料を消費しており、農業はアメリカでの温室効果ガス排出量の10%を占め、航空機、列車、自動車を合わせた3分の1を占めている。

モナークトラクターは、世界初の純電気式自走式AI搭載トラクターで、省エネ・低炭素化への取り組みや、昨今のスマートテクノロジーの流れから、市場から大きな注目を集めている。

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