注目ポイント
台湾南部・台南市安平区の文化商業施設「安平剣獅埕」で行われている発掘調査で、オランダ統治時代(1624~62年)や清朝時代(1683~1895年)のものとみられる遺構が発見されたことが分かった。

(台南中央社)南部・台南市安平区の文化商業施設「安平剣獅埕」で行われている発掘調査で、オランダ統治時代(1624~62年)や清朝時代(1683~1895年)のものとみられる遺構が発見されたことが分かった。台南市文化資産管理処が4日、明らかにした。貿易関係があったことを示す日本の陶磁器も見つかっており「台南の400年の歴史をさかのぼれる大きな収穫だ」としている。
発掘調査は成功大学(台南市)考古学研究所が実施。同処によると、今回見つかった遺構はオランダ時代に形成された市街地の跡や清朝時代に同郷者たちの信仰や交流の場とされた「会館」の1つ「金門館」のものとみられるという。
この他、17世紀の地層からはハイガイやカキのかけら、赤れんがを使った舗装が見つかった。オランダ時代の文献に記載されている工法だと推測している。また肥前で作られた陶磁器も出土し、当時から日本との貿易があったことを示しているとの見方を示した。
同じ地層からは新石器時代中後期のものとみられる玉斧も見つかり、分析の結果、成分が東部・花蓮県豊田の軟玉と同じだとして、同処は今後の研究に期待を寄せた。
(張栄祥/編集:齊藤啓介)