2022-10-05 観光

「日本人の当たり前を体験したい」台湾における日本旅行需要

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

旅行といえば、「国内旅行」と「海外旅行」に「日本旅行」も加わるという台湾。海外からの個人旅行受け入れ解禁を控え、日本国内のインバウンド需要が再び盛り上がりを見せている今、台湾人にとっての日本や日本旅行、コロナ以前より顕著だった旅行の傾向を概観する。

日本政府は、2022年10月11日からの訪日個人旅行の解禁、ビザ免除の再開、1日の入国者数の上限の撤廃を正式に発表した。これに伴い、今まで停滞していた各自治体、各企業のインバウンド需要が再び盛り上がりを見せている。

訪日する外国人の数は、コロナ前は年々増え続けていたものの、2020年には9割減にまで落ち込んでしまい、多くの企業が倒産してしまった。

しかし、この発表により各自治体、旅行業界、航空業界などは状況が一変。官民一体となって早急にインバウンド施策を進めていく必要が出てきた。

 

台湾の日本への関心

台湾はコロナ前の訪日者数順位は、中国、韓国に次いで第3位であったが、当時から韓国を超える勢いで年々増え続けていた。皆さんもご存知のとおり、台湾は大変な親日国である。台湾で日本語の看板や案内を見たことがある方もいるかもしれないが、実際はそういった表面上のものだけにとどまらず、現代の台湾人の中には日本文化が深く根付いている。

台湾では日本でお馴染みの商品は簡単に手に入り、テレビやラジオでは日本の番組や歌が流れる。また、日本語を話せる人も大勢いる。幼い頃から日本文化に親しんで興味を持ったり、アニメを見て日本語を話せるようになった人も多い。

ちなみに、私の会社のスタッフも全員日本語が流暢である。採用条件では特に日本語能力は求めていない。だが、日本に関心があり日本文化を理解したい、そして花が好きという人が、特段人材募集の宣伝をしなくても自然と集まってくる。その結果、今のような日本語が流暢なスタッフ達が揃い、皆とてもよく働いてくれている。

また、台湾で生活をしていると良く分かるのだが、日本語自体がオシャレで人気のあるイメージが台湾人にはある。そのため、台湾企業でも日本語の商品名を付けたり、ロゴを日本語にするなども人気である。台湾の若年層の日本への関心は益々高まってきている。

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台湾人にとっての日本旅行

台湾人の多くが日本旅行を経験している。それも1回や2回ではなく、10回、20回というレベルである。主要観光地は全て網羅し、中には全都道府県制覇している方もいる。インバウンドと聞くと、京都や富士山を宣伝すればいいというイメージが一般論であるが、台湾の場合はそれは当てはまらない。

台湾人にとっては「日本旅行」は「海外旅行」ではないのだ。台湾では「国内旅行」「海外旅行」「日本旅行」というカテゴリになっている。台湾の某大手旅行会社も部門をこのように分けている。それだけ日本旅行という分野は、台湾にとって特別なものである。

 

台湾人の旅行の傾向

従来は、旅行会社のパッケージツアーが主流であった。しかし、近年ではFIT(Foreign Independent Tour、個人で海外旅行に行くこと)が主流になっており、コロナ前でも台湾人の約7割がFITであった。

日本旅行初心者は、現在もパッケージツアーをメインとし、いかに安くチケットを購入するかが台湾人の心を掴む鍵であるのは間違いないのだが、FITとなると話は変わってくる。結論から申し上げると、FITでは「何を体験するか」が最大の鍵である。日本でしか体験できない非日常的なことを期待しており、その中でも特に日本人にとっては当たり前の日常を体験したいという傾向が高まっている。

例えば、高級ホテルではなく民宿に泊まり、懐石料理ではなくローカルなご当地B級グルメを楽しみ、スーパーマーケットでタイムセールの惣菜と缶ビールを買い、自室で仲間内で飲む、と言った具合である。私たちが日常的に生活していることを、台湾人も体験したいのである。

受け入れ側である私たちは、そう言った台湾人の傾向も十分に考慮しインバウンド対策に取り組まなければいけない。次回では、具体的なインバウンド対策についてご紹介する。
 

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